BJYの備忘録
千葉県東総でアマチュア無線を楽しんでいます。 UHFが好きで、主に九十九里エリアでお手軽移動運用中。 ※blogというより備忘録なので、日記になってません(笑)
第52話:40mもDXCC(7B-DXCC達成※WKDですが)
いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
師走も下旬に入り、クリスマスや年末商戦で街が賑わう頃、
ここ南関東エリアでも毎朝霜柱が立つほど冷え込みが厳しくなってきました。
さて、前回6B-DXCC達成のお話しをしたばかりで、喜びの余韻が覚めやらぬ12月上旬、
今度は7MHz(40m)でもDXCCを達成することができました!
前回の記事を書いた時点では、40mのWKD数はまだ83。すでに北米南米方面は普通に
出来る所とは殆どQSO済みで、100まで残り17を埋めるには、ヨーロッパ方面の未交信
地域を探し出すため、オープンするタイミングで集中的にワッチするしかありません。
しかし、ローバンドDXを経験した方ならご存知の通り、40mや80mではヨーロッパ方面の
オープンする時間は非常に短く、冬の日没時と日出時の僅かな時間帯が勝負になります。
かく言う自分も11月中旬、陽が明ける前にベッドから這い出して寒いシャックに入り、
ヨーロッパの開けるのを待ちながら、リグの前でひたすらワッチ。やっと聞こえてきたと
思ったら、待ち構えていたJAのキロワットDXer達が次々とコール、ベアーフットの自分には
最後までコールバックが無く、そのまま1局もQSOできずにフェードアウト・・・
こんな日が何日も何日も続くと、段々と心が折れてしまいます。
けれども、思い付きでANTの張り方を何度も変えてみたり、根気よくコンディションの
上昇に期待して日々ワッチを続けた結果、少しづつですが未交信のエンティティーと
QSOできるようになってきました。
そしてついに12/5、T88RC(パラオ)との交信で、DXCC100を達成することが出来ました!
因みに前回の記事時点(83)からここまでの道のりは、
100 T88RC (パラオ)
99 3D2AG/P (ロツマ島)
98 CU3AC (アゾレス諸島)
97 CT3MD (マディラ諸島)
96 SM4CJM (スウェーデン)
95 JW7QIA (スバールバル)
94 G4AMT (イギリス)
93 MM0EAX (スコットランド)
92 P29DT (パプアニューギニア)
91 EX8MCD (キルギス)
90 4K6FO (アゼルバイジャン)
89 LA8ENA (ノルウェー)
88 EI4KF (アイルランド)
87 YT3PL (セルビア)
86 YL3CW (ラトビア)
85 PJ2MAN (キュラソー)
84 T33T (バナバ島)
で、この間に3回ANTを変えています。(ANT自体は同一のワイヤーですが、給電点の場所を
変えたり、張る方向を変えたりしています)
ANTの変遷については、いずれ他のバンドのANTも含めてご紹介したいと思います。
ヨーロッパ方面から貰ったレポートの多くは-20dbとか-24dbであり、本当にギリギリの
弱い電波でよくチャレンジしているなと我ながら感心しますが、
例外として、JW7QIA(スバールバル)はUR+04db/ MY+06dbのレポートでした。
(北極圏の局は、時に瞬間的にこのような強力な信号で入感することがあります)
おそらくDXクラスタに載る前だったと思われます。自分の交信後はJAのパイルアップに
なっていました。
それでは、年の瀬ですので、そろそろこの辺で。
皆様、良い新年をお過ごしください。
FB DX 73.
師走も下旬に入り、クリスマスや年末商戦で街が賑わう頃、
ここ南関東エリアでも毎朝霜柱が立つほど冷え込みが厳しくなってきました。
さて、前回6B-DXCC達成のお話しをしたばかりで、喜びの余韻が覚めやらぬ12月上旬、
今度は7MHz(40m)でもDXCCを達成することができました!
前回の記事を書いた時点では、40mのWKD数はまだ83。すでに北米南米方面は普通に
出来る所とは殆どQSO済みで、100まで残り17を埋めるには、ヨーロッパ方面の未交信
地域を探し出すため、オープンするタイミングで集中的にワッチするしかありません。
しかし、ローバンドDXを経験した方ならご存知の通り、40mや80mではヨーロッパ方面の
オープンする時間は非常に短く、冬の日没時と日出時の僅かな時間帯が勝負になります。
かく言う自分も11月中旬、陽が明ける前にベッドから這い出して寒いシャックに入り、
ヨーロッパの開けるのを待ちながら、リグの前でひたすらワッチ。やっと聞こえてきたと
思ったら、待ち構えていたJAのキロワットDXer達が次々とコール、ベアーフットの自分には
最後までコールバックが無く、そのまま1局もQSOできずにフェードアウト・・・
こんな日が何日も何日も続くと、段々と心が折れてしまいます。
けれども、思い付きでANTの張り方を何度も変えてみたり、根気よくコンディションの
上昇に期待して日々ワッチを続けた結果、少しづつですが未交信のエンティティーと
QSOできるようになってきました。
そしてついに12/5、T88RC(パラオ)との交信で、DXCC100を達成することが出来ました!
因みに前回の記事時点(83)からここまでの道のりは、
100 T88RC (パラオ)
99 3D2AG/P (ロツマ島)
98 CU3AC (アゾレス諸島)
97 CT3MD (マディラ諸島)
96 SM4CJM (スウェーデン)
95 JW7QIA (スバールバル)
94 G4AMT (イギリス)
93 MM0EAX (スコットランド)
92 P29DT (パプアニューギニア)
91 EX8MCD (キルギス)
90 4K6FO (アゼルバイジャン)
89 LA8ENA (ノルウェー)
88 EI4KF (アイルランド)
87 YT3PL (セルビア)
86 YL3CW (ラトビア)
85 PJ2MAN (キュラソー)
84 T33T (バナバ島)
で、この間に3回ANTを変えています。(ANT自体は同一のワイヤーですが、給電点の場所を
変えたり、張る方向を変えたりしています)
ANTの変遷については、いずれ他のバンドのANTも含めてご紹介したいと思います。
ヨーロッパ方面から貰ったレポートの多くは-20dbとか-24dbであり、本当にギリギリの
弱い電波でよくチャレンジしているなと我ながら感心しますが、
例外として、JW7QIA(スバールバル)はUR+04db/ MY+06dbのレポートでした。
(北極圏の局は、時に瞬間的にこのような強力な信号で入感することがあります)
おそらくDXクラスタに載る前だったと思われます。自分の交信後はJAのパイルアップに
なっていました。
それでは、年の瀬ですので、そろそろこの辺で。
皆様、良い新年をお過ごしください。
FB DX 73.
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第51話:6B-DXCC達成 (WKDですが)
いつも当ブログをご覧頂き、ありがとうございます。
やっと、10/14/18/21/24/28MHzの各バンドで、DXCC100を達成することが
できました!
まだCFMではなくWKDなので、正式なアワード取得条件ではありませんが、
自分の中では1つの区切りとして書き留めておこうと思います。
先日から、右側のプロフィール欄に、"My HF DX status"と称して、
昨年正月にHFでFT8を始めてからのDX局との交信実績を記したことに
お気づきの方はいらっしゃいましたでしょうか?
実は、昨年夏に、"DXCC100" をband-mixedで達成して、HFDXは最初の
登竜門をクリアしたので、いったんこれで落ち着くことにしようかと
思ったのですが、この時点では"WAC"も"WAS"も"WAZ"も中途半端な状態
でしたので、何か物足りない感じが否めません。
そこで、次の目標として、DXCC200とか更に上を狙っても良いのですが、
自分には流石にそこまでの情熱もお金も時間的な余裕もありません。
"シングルバンドDXCC"はどうだろうか?と思い、各バンドの交信実績を
集計してみたら、30m(10MHz)と17m(18MHz)の2つが100に手が届きそうな
感じでしたので、とりあえずこの2つのバンドを完成させることにして
今年に入ってから30mと17mは思惑通り100を達成することができました。
さあ、残りのバンドはどうするか・・・
すると、春先から14MHz以上の所謂"ハイバンド"のコンディションが上昇し、
この分で行くと、もしかしたら今シーズン中に10MHz以上のHF全バンドで
DXCC100が出来るかもしれない・・・と淡い期待を持って、6バンドDXCCに
チャレンジすることにしました。
しかし、ここからが大変でした。何しろ自分の設備はIC-7300(100W機)と
ヒョロヒョロのワイヤーアンテナだけ。一昔前のTS-480HX(200W機)も
一応持ってはいますが、これは200W局免許の為だけに持っている物なので、
デジタルI/Fがありません。それに、ATU(AH-3)が耐入力100Wまでのため、
200Wを入れると壊れてしまいますので、TS-480HXの出番がありません。
それに、オンエアできる時間も仕事の合間になります。
とにかく、無いものねだりをしても先に進みませんので、限られた環境で
どこまで出来るかチャレンジです!
アンテナは何度も張り替えましたが、結局最後まで自作品で通し、既製品は
一切使いませんでした。
無線機は、今月に入るまでは全てIC-7300、今月に入ってからはATU不要の
アンテナを2種類(21/24/28MHzの3バンド垂直DPと、24MHz専用のJ型ANT)
作って、TS-480HXも駆使してラストスパートしました。
(数日前まではオプションのTCXOも入れていなかったので、QRHしまくり
状態でした。「BJYのヤツ、今日も動いてるよ」と思った方、実はTS-480が
TCXO無しのノーマル状態だったのです。ゴメンナサイ…)
2か月前までは10m(28MHz)がまだ40程度しかありませんでしたので、10mは
今年中の達成は無理かな?と予想していたのですが、秋のDXシーズンで連日
ヨーロッパ方面のコンディションが良好になり、このバンドに注力した結果、
21MHzより先に100を達成してしまいました。結局、一番最後に残ったのは
12m(24MHz)でした。
昔から存在する所謂クラシックバンド(14/21/28MHz)は、流石に全世界的に
愛好家が多いと感じます。どのバンドに出てもQRMの嵐です。
それに比べて、WARCバンドの24MHzはどちらかというと地味な雰囲気で、
どの局も"ついでに"出ているような感じがします。実際、いつも聞こえるのは
常連局ばかりで、なかなかnew entityが伸びません。しかしこればかりは
相手が出てきてくれないと話にならないので仕方ありません。
(ちなみに、100e目はV85ブルネイ、101e目が9V1。ちょっと順序が・・・)
まあさておき、今夜はささやかに祝杯することにします。
やっと、10/14/18/21/24/28MHzの各バンドで、DXCC100を達成することが
できました!
まだCFMではなくWKDなので、正式なアワード取得条件ではありませんが、
自分の中では1つの区切りとして書き留めておこうと思います。
先日から、右側のプロフィール欄に、"My HF DX status"と称して、
昨年正月にHFでFT8を始めてからのDX局との交信実績を記したことに
お気づきの方はいらっしゃいましたでしょうか?
実は、昨年夏に、"DXCC100" をband-mixedで達成して、HFDXは最初の
登竜門をクリアしたので、いったんこれで落ち着くことにしようかと
思ったのですが、この時点では"WAC"も"WAS"も"WAZ"も中途半端な状態
でしたので、何か物足りない感じが否めません。
そこで、次の目標として、DXCC200とか更に上を狙っても良いのですが、
自分には流石にそこまでの情熱もお金も時間的な余裕もありません。
"シングルバンドDXCC"はどうだろうか?と思い、各バンドの交信実績を
集計してみたら、30m(10MHz)と17m(18MHz)の2つが100に手が届きそうな
感じでしたので、とりあえずこの2つのバンドを完成させることにして
今年に入ってから30mと17mは思惑通り100を達成することができました。
さあ、残りのバンドはどうするか・・・
すると、春先から14MHz以上の所謂"ハイバンド"のコンディションが上昇し、
この分で行くと、もしかしたら今シーズン中に10MHz以上のHF全バンドで
DXCC100が出来るかもしれない・・・と淡い期待を持って、6バンドDXCCに
チャレンジすることにしました。
しかし、ここからが大変でした。何しろ自分の設備はIC-7300(100W機)と
ヒョロヒョロのワイヤーアンテナだけ。一昔前のTS-480HX(200W機)も
一応持ってはいますが、これは200W局免許の為だけに持っている物なので、
デジタルI/Fがありません。それに、ATU(AH-3)が耐入力100Wまでのため、
200Wを入れると壊れてしまいますので、TS-480HXの出番がありません。
それに、オンエアできる時間も仕事の合間になります。
とにかく、無いものねだりをしても先に進みませんので、限られた環境で
どこまで出来るかチャレンジです!
アンテナは何度も張り替えましたが、結局最後まで自作品で通し、既製品は
一切使いませんでした。
無線機は、今月に入るまでは全てIC-7300、今月に入ってからはATU不要の
アンテナを2種類(21/24/28MHzの3バンド垂直DPと、24MHz専用のJ型ANT)
作って、TS-480HXも駆使してラストスパートしました。
(数日前まではオプションのTCXOも入れていなかったので、QRHしまくり
状態でした。「BJYのヤツ、今日も動いてるよ」と思った方、実はTS-480が
TCXO無しのノーマル状態だったのです。ゴメンナサイ…)
2か月前までは10m(28MHz)がまだ40程度しかありませんでしたので、10mは
今年中の達成は無理かな?と予想していたのですが、秋のDXシーズンで連日
ヨーロッパ方面のコンディションが良好になり、このバンドに注力した結果、
21MHzより先に100を達成してしまいました。結局、一番最後に残ったのは
12m(24MHz)でした。
昔から存在する所謂クラシックバンド(14/21/28MHz)は、流石に全世界的に
愛好家が多いと感じます。どのバンドに出てもQRMの嵐です。
それに比べて、WARCバンドの24MHzはどちらかというと地味な雰囲気で、
どの局も"ついでに"出ているような感じがします。実際、いつも聞こえるのは
常連局ばかりで、なかなかnew entityが伸びません。しかしこればかりは
相手が出てきてくれないと話にならないので仕方ありません。
(ちなみに、100e目はV85ブルネイ、101e目が9V1。ちょっと順序が・・・)
まあさておき、今夜はささやかに祝杯することにします。
第50話:細長デルタループANT(28MHz用)の製作
2022.02.xx(過去の製作記録です)
2月に入って、太陽黒点数が増え、ハイバンドのコンディションが良くなってきました。
28MHzでも連日、南米入感のレポートが上がっています。
しかし、私のアンテナはローバンド用に作ったロングワイヤー1本なので、
28MHzはとても効率が悪く、アジアの近隣諸国でさえもまともにQSOができません。
そこで、またもや即席で、28MHz専用のANTを作ってみました。
今回製作するのは、細長のデルタループです。一般的にデルタループと言うと、
逆三角形のANTをイメージしますが、今回のは”おむすび型”で、なおかつ細長に
なっています。
これには理由があり、
(1)ANTマストにグラスファイバーポールを使用するので、先端に重たい横棒が
つけられない → トップを三角形の頂点にする
(2)同軸ケーブルで直接給電したい → 給電点インピーダンスを50Ωにするため、
正三角形を少し変形して、細長の三角形にする
というものです。
正三角形のデルタループは、特性インピーダンスが約100Ωと言われています。
これを細長にすることによって、50Ωで給電出来るようになるというのは、
細長の四角形の”スカイドア”ANTが50Ωで給電できるのと同じ理屈です。
では早速、製作にとりかかりましょう。
まず、ループ全体の長さを決めます。
中心周波数を、FT8の運用周波数である28.07MHzと決め、1λ=300/f(MHz)の式で、
10.687mが求まります。
実際には、HFのループANTを細いワイヤーで作ると、経験的に全長の短縮率が
1より大きくなる傾向があるので、全長を10.7mと決め、斜辺=4.35m、底辺=2mの
寸法で製作してみます。(A図)
(A図)最初に、この寸法で作り、給電点を2.5mの高さに上げてみたところ、
29MHz付近に合ってしまいました。SWRも2.0と芳しくありません。
そこで、エレメントを全体的に40cm追加して、底辺の長さも増やしたところ、
(B図)の寸法で28.0MHzでSWR=1.3になりました。
ただ、給電点を5mHの高さまで上げたところ、中心周波数が27.7MHzに
下がってしまいました。(SWRは1.3のまま)
が、28.07MHzでもSWR<1.5に収まっているので、これで良しとします。
(クリックで拡大)
<使用感>
・ループアンテナ特有の、サイド方向の切れがすごい。
以前使った50MHzのスカイドアと同じ感覚。
・飛びも受けもマアマア。送受信のレポートに差がないので、共振型ANTとして
バランス良く働いている。
・ゲインは感じないが、弱い信号もちゃんと拾っている(耳が良い)
JA国内の全エリアが、-10~-15dbで入感する。
伝搬はEスポではなく、GWかSCのよう(フェージングがない)
・周囲の金属物に影響されやすい(設置場所が、家屋に接近していた為)
ANTの向きでSWRが1.5~2.0に変化する。
全体としては、ゲインは少ないもののノイズが静かで耳が良いANTだと感じました。
第一目的の南米局とは数多くQSOできました。
2月に入って、太陽黒点数が増え、ハイバンドのコンディションが良くなってきました。
28MHzでも連日、南米入感のレポートが上がっています。
しかし、私のアンテナはローバンド用に作ったロングワイヤー1本なので、
28MHzはとても効率が悪く、アジアの近隣諸国でさえもまともにQSOができません。
そこで、またもや即席で、28MHz専用のANTを作ってみました。
今回製作するのは、細長のデルタループです。一般的にデルタループと言うと、
逆三角形のANTをイメージしますが、今回のは”おむすび型”で、なおかつ細長に
なっています。
これには理由があり、
(1)ANTマストにグラスファイバーポールを使用するので、先端に重たい横棒が
つけられない → トップを三角形の頂点にする
(2)同軸ケーブルで直接給電したい → 給電点インピーダンスを50Ωにするため、
正三角形を少し変形して、細長の三角形にする
というものです。
正三角形のデルタループは、特性インピーダンスが約100Ωと言われています。
これを細長にすることによって、50Ωで給電出来るようになるというのは、
細長の四角形の”スカイドア”ANTが50Ωで給電できるのと同じ理屈です。
では早速、製作にとりかかりましょう。
まず、ループ全体の長さを決めます。
中心周波数を、FT8の運用周波数である28.07MHzと決め、1λ=300/f(MHz)の式で、
10.687mが求まります。
実際には、HFのループANTを細いワイヤーで作ると、経験的に全長の短縮率が
1より大きくなる傾向があるので、全長を10.7mと決め、斜辺=4.35m、底辺=2mの
寸法で製作してみます。(A図)
(A図)最初に、この寸法で作り、給電点を2.5mの高さに上げてみたところ、
29MHz付近に合ってしまいました。SWRも2.0と芳しくありません。
そこで、エレメントを全体的に40cm追加して、底辺の長さも増やしたところ、
(B図)の寸法で28.0MHzでSWR=1.3になりました。
ただ、給電点を5mHの高さまで上げたところ、中心周波数が27.7MHzに
下がってしまいました。(SWRは1.3のまま)
が、28.07MHzでもSWR<1.5に収まっているので、これで良しとします。
<使用感>
・ループアンテナ特有の、サイド方向の切れがすごい。
以前使った50MHzのスカイドアと同じ感覚。
・飛びも受けもマアマア。送受信のレポートに差がないので、共振型ANTとして
バランス良く働いている。
・ゲインは感じないが、弱い信号もちゃんと拾っている(耳が良い)
JA国内の全エリアが、-10~-15dbで入感する。
伝搬はEスポではなく、GWかSCのよう(フェージングがない)
・周囲の金属物に影響されやすい(設置場所が、家屋に接近していた為)
ANTの向きでSWRが1.5~2.0に変化する。
全体としては、ゲインは少ないもののノイズが静かで耳が良いANTだと感じました。
第一目的の南米局とは数多くQSOできました。
第49話:ウィンドムANTの製作(7/14/28MHz用)-実運用なし
2021.01.xx (過去の製作記事です)
1.8MHz, 3.5MHz用のロングワイヤーANTがうまく行ったので、7MHz以上のANTも
欲しくなり、マルチバンドで使える「ウィンドムANT」の製作に挑戦してみました。
ウィンドムANTは、ツェップANT同様、古くからアマチュアに親しまれてきたANTですが、
JAでは市販品がないので、あまり知られていないようです。
原理は下図の通りで、ある基本周波数に同調しているλ/2の長さのワイヤーに、
その2倍、4倍の高調波を乗せると、端から1/3の所でこれらの周波数の電流分布が
丁度重なるポイントがあり、ここで給電すればどの周波数でも同じインピーダンスに
なるというものです。(約200~400Ω)
なお3倍高調波でも共振はしますが、この給電点では数kΩのハイインピーダンスに
なってしまうため、マッチングが取れません。そのため、基本波の偶数倍の周波数に
限られます。
ダイポールの中央給電に対して、オフセット給電とも言われます。
今回は、基本周波数を7MHzとして、7/14/28MHz用のアンテナとして製作します。
全長が約20mで、給電点は端から1/3の所なので、片側が約6.5m、片側が13.5mの
長さになります。
製作はDPを作る要領で、いたって簡単です。ただDPと違って、中心からずれた所に
給電点がありますので、ここにANTポールを設置するとなると、逆V型にした場合は
左右均等になりません。給電点インピーダンスも200~400Ωなので、50Ωの同軸
ケーブルで給電する場合は、1:4とか1:6のバランが必要になります。
私の場合は、知人から譲っていただいたメーカー製の1:4バランを使いました。
最初は上記の寸法通りに作って、逆V型ではなく、ほぼ水平に4.5mHに張って
仮設置しましたが、どのバンドも高い方に合っていたので左右のワイヤーを
継ぎ足しして、6.5mの方の長さ調整でSWRを下げました。
最終的なSWRは、7.05MHz=1.5、14.05MHz=1.1、28.050MHz=2.0でした。
出来上がったのが日没時でしたので、作業は明日にしようと、同軸ケーブルは
つけずに、ウィンドムを上げたままにして、部屋に入りました。
夕食後、3.5MHzをワッチしてみると、、、何だか様子が変です。
いつもはこの時間帯に聞こえてくるはずのWの中西部が全然聞こえてきません。
"今日はコンディションが悪いのかな?"と思い、CQを出してpsk reporterを見たら
何と!Wからのレポート数がゼロです。こんな事はありえません。
あまりに様子がおかしいので、夜11時に暗闇の中、懐中電灯片手にウィンドムを
全撤去しました。
再び部屋に戻って3.5MHzをワッチしてみると、今度はちゃんとWの局が聞こえ、
psk reporterのレポートの数もいつも通りになり、コンディションが悪い訳では
無かった事がわかりました。
ウィンドムANTが、もろにロングワイヤーANTに悪影響を及ぼしていたのです!
今回は、ウィンドムANTの一部がロングワイヤーANTと接近していたため、
ロングワイヤーの放射パターンが乱れて、WやEU方向に飛ばなくなってしまった
と推察されます。
というわけで、今回製作したウィンドムANTは、半日で撤去を余儀なくされ、
QSO実績ゼロという結果に終わりました。これまでのANTで最も短命な記録に
なってしまいました。(涙)
しかし、決してウィンドムが悪いのではありません。いつか移動などでこのANTに
再チャレンジしてみたいと思います。
【教訓】
ワイヤーアンテナの近くに金属物(ワイヤーを含む)を置いてはいけない。
たとえ波長に比べて短いワイヤーであっても必ず何らかの影響を受ける
1.8MHz, 3.5MHz用のロングワイヤーANTがうまく行ったので、7MHz以上のANTも
欲しくなり、マルチバンドで使える「ウィンドムANT」の製作に挑戦してみました。
ウィンドムANTは、ツェップANT同様、古くからアマチュアに親しまれてきたANTですが、
JAでは市販品がないので、あまり知られていないようです。
原理は下図の通りで、ある基本周波数に同調しているλ/2の長さのワイヤーに、
その2倍、4倍の高調波を乗せると、端から1/3の所でこれらの周波数の電流分布が
丁度重なるポイントがあり、ここで給電すればどの周波数でも同じインピーダンスに
なるというものです。(約200~400Ω)
なお3倍高調波でも共振はしますが、この給電点では数kΩのハイインピーダンスに
なってしまうため、マッチングが取れません。そのため、基本波の偶数倍の周波数に
限られます。
ダイポールの中央給電に対して、オフセット給電とも言われます。
今回は、基本周波数を7MHzとして、7/14/28MHz用のアンテナとして製作します。
全長が約20mで、給電点は端から1/3の所なので、片側が約6.5m、片側が13.5mの
長さになります。
製作はDPを作る要領で、いたって簡単です。ただDPと違って、中心からずれた所に
給電点がありますので、ここにANTポールを設置するとなると、逆V型にした場合は
左右均等になりません。給電点インピーダンスも200~400Ωなので、50Ωの同軸
ケーブルで給電する場合は、1:4とか1:6のバランが必要になります。
私の場合は、知人から譲っていただいたメーカー製の1:4バランを使いました。
最初は上記の寸法通りに作って、逆V型ではなく、ほぼ水平に4.5mHに張って
仮設置しましたが、どのバンドも高い方に合っていたので左右のワイヤーを
継ぎ足しして、6.5mの方の長さ調整でSWRを下げました。
最終的なSWRは、7.05MHz=1.5、14.05MHz=1.1、28.050MHz=2.0でした。
出来上がったのが日没時でしたので、作業は明日にしようと、同軸ケーブルは
つけずに、ウィンドムを上げたままにして、部屋に入りました。
夕食後、3.5MHzをワッチしてみると、、、何だか様子が変です。
いつもはこの時間帯に聞こえてくるはずのWの中西部が全然聞こえてきません。
"今日はコンディションが悪いのかな?"と思い、CQを出してpsk reporterを見たら
何と!Wからのレポート数がゼロです。こんな事はありえません。
あまりに様子がおかしいので、夜11時に暗闇の中、懐中電灯片手にウィンドムを
全撤去しました。
再び部屋に戻って3.5MHzをワッチしてみると、今度はちゃんとWの局が聞こえ、
psk reporterのレポートの数もいつも通りになり、コンディションが悪い訳では
無かった事がわかりました。
ウィンドムANTが、もろにロングワイヤーANTに悪影響を及ぼしていたのです!
今回は、ウィンドムANTの一部がロングワイヤーANTと接近していたため、
ロングワイヤーの放射パターンが乱れて、WやEU方向に飛ばなくなってしまった
と推察されます。
というわけで、今回製作したウィンドムANTは、半日で撤去を余儀なくされ、
QSO実績ゼロという結果に終わりました。これまでのANTで最も短命な記録に
なってしまいました。(涙)
しかし、決してウィンドムが悪いのではありません。いつか移動などでこのANTに
再チャレンジしてみたいと思います。
【教訓】
ワイヤーアンテナの近くに金属物(ワイヤーを含む)を置いてはいけない。
たとえ波長に比べて短いワイヤーであっても必ず何らかの影響を受ける
第48話:ロングワイヤーANT 4題
過去の製作記事の備忘録です。
■ ロングワイヤーANT仮設(32m長、5mH)
→1.8MHzでW本土とQSO!
■ ロングワイヤーANTのカウンターポイズについて
→ループ状の効果を実験
■ ロングワイヤーANTをグレードアップ(38m長、12mH)
(1.8MHz専用のλ/4逆Lバーチカルとして再設計)
→1.8MHzでEUロシアとQSO! 受信も格段に向上
■ 1.8MHzでのSWRを改善
→ATU無しでSWR=1.0を実現!
■ ロングワイヤーANT仮設(32m長、5mH)・・・2021.12.xx
前回の記事”7MHz専用のツェップANT”で、1週間ほど運用を楽しみましたが、
その後本業がQRLLになってしまい、1か月以上シャックを離れておりました。
そしてやっと無線の時間が取れるようになったのが冬景色の12月中旬、、、
「もう今はローバンドの季節」ということで、7MHzのツェップは降ろして
1.8MHzや3.5MHzに出るために急遽ロングワイヤーANTの設置に取り掛かりました。
長さを32mとした理由は、1.8MHzでの効率を考えての事です。
これまでの経験から、1.8MHzでまともに電波を飛ばそうとすると、20mでは役不足で、
32mもあればλ/4に近いし、設置点を西側にして東側にワイヤーを展開すれば西方向にも
少しは強く飛んでくれるだろうという目論見です。形状は逆L型としました。
台風でANTマストが折れてしまったので、設置高さは5mHしか稼げません。1.8MHzの
160mという波長から考えると、5mHというのは「地べたを這うような」高さです。
それでも兎に角、”一時しのぎの仮設置ANT”、と割り切って、作業を進めます。
給電部は、ICOMのATU(AH-3)による自動マッチングとしました。
カウンターポイズは、全然直線になっていませんが、30mの長さのワイヤーを2本
地面に這わせました。全体像を下図に示します。(クリックで拡大)
運用実績は次の通りです。(大半はFT8モード、出力は80W~100W)
1.8MHz・・・国内に対しては十分。以前は苦手だった西方面にも良く飛んでいる。
DXはK7ZV(WA)とQSO出来て、初めて北米本土に電波が飛んだ!
3.5MHz・・・かろうじてEUに飛んでいる。EUロシアとフィンランド各々2局ずつQSOできたが、
受信はEU多数を受信できるものの信号が弱い(-15db~-24db)
7MHz・・・AS,OCを含めて全てのDX局の信号が弱い。送信はそれなりに飛んでいる様子
(psk reporterによる情報)
総括・・・主エレメントが32mあるので、一応1.8MHzも3.5MHzもそれなりに使えるが、
とにかく設置高さが低いのでEUには飛んで行かない。信号がマイナス1ケタにならないと
100Wのパワーでは無理。7MHzは受信がNG。近場しか聞こえてこない。
ただ、こんなに低くてもDXができるのは接地型ANTのお陰。5mHのDPではまず無理だろう。
■ ロングワイヤーANTのカウンターポイズについて・・・2022.01.xx
前回のロングワイヤーANTは、思いつきで安直に上げただけの状態だったので、
すこし工夫をしてみようと、カウンターポイズを色々と試してみました。
ワイヤーエレメントは32m長のままです。
まず形状ですが、以前42m長のロングワイヤーを上げた際、カウンターポイズを
ループ状にすると、S/Nが向上することがわかっていましたので、今回もここから
実験を開始しました。
まずAH-3のコールド側に、自作の端子台を取り付け、カウンターポイズが何本でも
接続が可能なように工夫しました。
そしてカウンターポイズは合計3本、22mのループと、30mのループと、31mのループ、
敷地の関係で少々変形しますが、これらを3方向に展開しました。
結果は、期待したほどではありませんでしたが、それでも3.5MHzのヨーロッパが
少し増えました。1.8MHzは変化なし。7MHz以上は受信が少し良くなった感じがします。
試しに1.8MHz用に、図の破線のように80mのループをカウンターポイズとして
展開してみましたが、却ってSWRが下がらず、これは大失敗でした。
おそらくロングワイヤーのメインエレメントの真下になってしまったための
影響と考えられます。
(このことは、後の実験で場所を変えたらSWRが下がった事で実証されました)
■ ロングワイヤーANTをグレードアップ(38m長、12mH)・・・2022.01.xx
ローバンドDXをやるのに、5mHのロングワイヤーではあまりにも貧弱すぎと思い、
一念奮起して、高さを12mまで持ち上げてグレードアップを図ることにしました。
同時に、設置高が上がった分、エレメント長も38mと、1.8MHzのフルサイズが可能に
なりましたので、このロングワイヤーANTを1.8MHz専用のλ/4逆Lバーチカルとして再設計
しました。
とは言っても、poorな自分は高価なアンテナマストをすぐに調達できそうもありません。
そこで妙案!古い144/430の5mのGPがあるのを思い出し、ラジアルを取り去って
ただのグラスファイバーポールとして活用します。伸縮のグラスファイバーポールに
比べて風雨に強い材質ですから、強度の点でも安心です。
これにアルミ伸縮ポールを継ぎ足し、4.5mのルーフタワーに嵌め込みます。
このようにして、何とか12mの高さを確保しました。
カウンターポイズも、1.8MHz専用のものを追加しました。
3D2V同軸ケーブルの被覆線を35m、敷地目一杯になるべく直線状に展開して、AH-3の
コールド側に接続します。1.8MHzでAH-3の負担をかけないよう、ATUを使わない
すっぴんの状態でもSWRを下げるように調整しました。(1.84MHzでSWR=1.6)
こうして、見かけは以前と同じロングワイヤーですが、電気的には1.8MHzの逆L型
バーチカルと言えるようになりました。
<運用記>
こうして、新しいANTを上げたばかりの初日の深夜、早速1.8MHzをワッチすると、
何やらいつもとバンドの様子が違います。
いつもはDX局を呼ぶ数局のJAのハイパワー局の信号が見えているだけなのですが、
今夜は何と、”呼ばれる側のDX局"も沢山見えています!!!
信号は弱いですが、EUロシアが多数、それにSV、I、SP、OH、9K、etc.・・・、続々と
ヨーロッパや中東のDX局が見えています。興奮で背筋がゾクゾクしてきました。
早速私も片っぱしから100Wでコールしてみますが、相手のパワーが凄すぎるせいか、
コールバックがありません。尤もそのDX局は、地元の局が多すぎてQRMを受けている
様子で、-03dbとかの良いレポートを送っている局に対して、何回もリトライして
います。ヨーロッパで160mが盛んなのは噂に聞いていましたが、ここまですごいとは、、、
初めてその現実を目のあたりにしました。
ハイパワー局を呼んでも歯が立たないのであれば、此方からCQを出すしかない、
もしこの中に100W局がいれば、此方の弱い信号も拾ってくれるかも知れない・・・
と、半分願うような気持ちで、ダメ元でCQDXを出してみました。
CQを出すこと数回、、、応答がありました。UA4CR、EUロシアの局です!
「頼むからQRMを受けないでくれ」と願いが通じたのか、リトライなしで、最後の73まで
無事に交信成立しました。
初めて、初めて自分の1.8MHzの電波が、ヨーロッパに届いてくれた瞬間でした!
この後psk reporterを見てみたら、160mは数局のEU局にデコードされていましたので、
今後も少し期待が持てそうです。
この日は3.5MHzもコンディションが良かったみたいで、多数のEUロシア局と他のEU局も
QSOできました。
それにしても、160mという長い波長で、ANT高さが5m→12mに たった7m上がっただけで
こんなに聞こえ方が違うのは予想もしていませんでした。
俄然、モチベーションが上がってきました。「タワーが無くてもDXは出来る」
因みに、この35mのカウンターポイズに42mのワイヤーを追加して、前回失敗した
「1.8MHz用のループ状カウンターポイズ」にも再挑戦してみました。
前回の場所から大きく離して、ワイヤーエレメントと干渉しない場所に移動したところ、
見事、ATUを使わない状態でSWRを下げることができました。(1.84MHzでSWR=1.3)
やはり、前回の失敗はワイヤーエレメントとの干渉が大きな原因だったのです。
このループ状カウンターポイズにしたことによる効果(悪影響も含めて)は次の通りです。
・すっぴんでのSWRが下がった(1.84MHz:SWR1.6→SWR1.3)
・フロアノイズが”若干”低くなった(S9→S8)
・EU方面に飛ばなくなった(psk reporterで確認)
・・・カウンターポイズからの輻射が強くなり、南方向にビームが出てしまったと思われる
その後、このループ状カウンターポイズは結果が思わしくないので、追加した42mのワイヤは
取り外して、35mの同軸ケーブル被覆線だけとしました。
結果、SWR値は元の1.6に戻りましたが、更にSWRを下げる方法を模索したところ、
思いがけない方法で1.0に追い込めました!(この後の記事で紹介します)
■ 1.8MHzでのSWRを改善・・・2022.01.xx
さて、ロングワイヤーANTの締めくくりとして、1.8MHzのSWRをもっと下げる方法を
模索してみました。
主エレメントのワイヤー長さ、カウンターポイズのワイヤー長さを色々弄ってみましたが、
中心周波数は調整できるものの、どう頑張ってもSWRが1.5から下がってくれません。
そこで、カウンターポイズの先端部分を、少し地面から浮かせてみました。
すると、地べたから70cmほど浮かせた所で、SWRが下がることを発見!
給電点に入れたアンテナアナライザーと、カウンターポイズの先端を行ったり来たり・・・
何往復もするうちに、足が疲れてしまいました(汗)
しかしついに、カウンターポイズの先端1mの長さを地面から70cm浮かせることで、
SWR=1.0に追い込むことができました!
(ちなみに、カウンターポイズ全体を浮かせてもダメで、先端の1mくらいだけを地面から
浮かせるとGOOD。それよりも内側を浮かせると逆にSWRが上がってしまう。浮かせる
高さも、あまり高くしてもNGで、70cmくらいが丁度良い具合でした)
大地とカウンターポイズの間で上手く容量結合できていると推察します。

最終的な測定で、中心周波数=1.840MHzでSWR=1.05、また帯域幅は1.800~1.920MHzの
120kHz幅でSWR<1.5になりました。ANT直下で記録を取るのを失念したので、部屋での
測定値になりますが、ATU無しでの数値です。
雨が降るとSWRが悪化しますが、それでもFT8の運用周波数で1.3に収まっています。
この日以来、1.8MHzを運用する時はATUの助けを借りずに済むようになりました。
■ ロングワイヤーANT仮設(32m長、5mH)
→1.8MHzでW本土とQSO!
■ ロングワイヤーANTのカウンターポイズについて
→ループ状の効果を実験
■ ロングワイヤーANTをグレードアップ(38m長、12mH)
(1.8MHz専用のλ/4逆Lバーチカルとして再設計)
→1.8MHzでEUロシアとQSO! 受信も格段に向上
■ 1.8MHzでのSWRを改善
→ATU無しでSWR=1.0を実現!
■ ロングワイヤーANT仮設(32m長、5mH)・・・2021.12.xx
前回の記事”7MHz専用のツェップANT”で、1週間ほど運用を楽しみましたが、
その後本業がQRLLになってしまい、1か月以上シャックを離れておりました。
そしてやっと無線の時間が取れるようになったのが冬景色の12月中旬、、、
「もう今はローバンドの季節」ということで、7MHzのツェップは降ろして
1.8MHzや3.5MHzに出るために急遽ロングワイヤーANTの設置に取り掛かりました。
長さを32mとした理由は、1.8MHzでの効率を考えての事です。
これまでの経験から、1.8MHzでまともに電波を飛ばそうとすると、20mでは役不足で、
32mもあればλ/4に近いし、設置点を西側にして東側にワイヤーを展開すれば西方向にも
少しは強く飛んでくれるだろうという目論見です。形状は逆L型としました。
台風でANTマストが折れてしまったので、設置高さは5mHしか稼げません。1.8MHzの
160mという波長から考えると、5mHというのは「地べたを這うような」高さです。
それでも兎に角、”一時しのぎの仮設置ANT”、と割り切って、作業を進めます。
給電部は、ICOMのATU(AH-3)による自動マッチングとしました。
カウンターポイズは、全然直線になっていませんが、30mの長さのワイヤーを2本
地面に這わせました。全体像を下図に示します。(クリックで拡大)
運用実績は次の通りです。(大半はFT8モード、出力は80W~100W)
1.8MHz・・・国内に対しては十分。以前は苦手だった西方面にも良く飛んでいる。
DXはK7ZV(WA)とQSO出来て、初めて北米本土に電波が飛んだ!
3.5MHz・・・かろうじてEUに飛んでいる。EUロシアとフィンランド各々2局ずつQSOできたが、
受信はEU多数を受信できるものの信号が弱い(-15db~-24db)
7MHz・・・AS,OCを含めて全てのDX局の信号が弱い。送信はそれなりに飛んでいる様子
(psk reporterによる情報)
総括・・・主エレメントが32mあるので、一応1.8MHzも3.5MHzもそれなりに使えるが、
とにかく設置高さが低いのでEUには飛んで行かない。信号がマイナス1ケタにならないと
100Wのパワーでは無理。7MHzは受信がNG。近場しか聞こえてこない。
ただ、こんなに低くてもDXができるのは接地型ANTのお陰。5mHのDPではまず無理だろう。
■ ロングワイヤーANTのカウンターポイズについて・・・2022.01.xx
前回のロングワイヤーANTは、思いつきで安直に上げただけの状態だったので、
すこし工夫をしてみようと、カウンターポイズを色々と試してみました。
ワイヤーエレメントは32m長のままです。
まず形状ですが、以前42m長のロングワイヤーを上げた際、カウンターポイズを
ループ状にすると、S/Nが向上することがわかっていましたので、今回もここから
実験を開始しました。
まずAH-3のコールド側に、自作の端子台を取り付け、カウンターポイズが何本でも
接続が可能なように工夫しました。
そしてカウンターポイズは合計3本、22mのループと、30mのループと、31mのループ、
敷地の関係で少々変形しますが、これらを3方向に展開しました。
結果は、期待したほどではありませんでしたが、それでも3.5MHzのヨーロッパが
少し増えました。1.8MHzは変化なし。7MHz以上は受信が少し良くなった感じがします。
試しに1.8MHz用に、図の破線のように80mのループをカウンターポイズとして
展開してみましたが、却ってSWRが下がらず、これは大失敗でした。
おそらくロングワイヤーのメインエレメントの真下になってしまったための
影響と考えられます。
(このことは、後の実験で場所を変えたらSWRが下がった事で実証されました)
■ ロングワイヤーANTをグレードアップ(38m長、12mH)・・・2022.01.xx
ローバンドDXをやるのに、5mHのロングワイヤーではあまりにも貧弱すぎと思い、
一念奮起して、高さを12mまで持ち上げてグレードアップを図ることにしました。
同時に、設置高が上がった分、エレメント長も38mと、1.8MHzのフルサイズが可能に
なりましたので、このロングワイヤーANTを1.8MHz専用のλ/4逆Lバーチカルとして再設計
しました。
とは言っても、poorな自分は高価なアンテナマストをすぐに調達できそうもありません。
そこで妙案!古い144/430の5mのGPがあるのを思い出し、ラジアルを取り去って
ただのグラスファイバーポールとして活用します。伸縮のグラスファイバーポールに
比べて風雨に強い材質ですから、強度の点でも安心です。
これにアルミ伸縮ポールを継ぎ足し、4.5mのルーフタワーに嵌め込みます。
このようにして、何とか12mの高さを確保しました。
カウンターポイズも、1.8MHz専用のものを追加しました。
3D2V同軸ケーブルの被覆線を35m、敷地目一杯になるべく直線状に展開して、AH-3の
コールド側に接続します。1.8MHzでAH-3の負担をかけないよう、ATUを使わない
すっぴんの状態でもSWRを下げるように調整しました。(1.84MHzでSWR=1.6)
こうして、見かけは以前と同じロングワイヤーですが、電気的には1.8MHzの逆L型
バーチカルと言えるようになりました。
<運用記>
こうして、新しいANTを上げたばかりの初日の深夜、早速1.8MHzをワッチすると、
何やらいつもとバンドの様子が違います。
いつもはDX局を呼ぶ数局のJAのハイパワー局の信号が見えているだけなのですが、
今夜は何と、”呼ばれる側のDX局"も沢山見えています!!!
信号は弱いですが、EUロシアが多数、それにSV、I、SP、OH、9K、etc.・・・、続々と
ヨーロッパや中東のDX局が見えています。興奮で背筋がゾクゾクしてきました。
早速私も片っぱしから100Wでコールしてみますが、相手のパワーが凄すぎるせいか、
コールバックがありません。尤もそのDX局は、地元の局が多すぎてQRMを受けている
様子で、-03dbとかの良いレポートを送っている局に対して、何回もリトライして
います。ヨーロッパで160mが盛んなのは噂に聞いていましたが、ここまですごいとは、、、
初めてその現実を目のあたりにしました。
ハイパワー局を呼んでも歯が立たないのであれば、此方からCQを出すしかない、
もしこの中に100W局がいれば、此方の弱い信号も拾ってくれるかも知れない・・・
と、半分願うような気持ちで、ダメ元でCQDXを出してみました。
CQを出すこと数回、、、応答がありました。UA4CR、EUロシアの局です!
「頼むからQRMを受けないでくれ」と願いが通じたのか、リトライなしで、最後の73まで
無事に交信成立しました。
初めて、初めて自分の1.8MHzの電波が、ヨーロッパに届いてくれた瞬間でした!
この後psk reporterを見てみたら、160mは数局のEU局にデコードされていましたので、
今後も少し期待が持てそうです。
この日は3.5MHzもコンディションが良かったみたいで、多数のEUロシア局と他のEU局も
QSOできました。
それにしても、160mという長い波長で、ANT高さが5m→12mに たった7m上がっただけで
こんなに聞こえ方が違うのは予想もしていませんでした。
俄然、モチベーションが上がってきました。「タワーが無くてもDXは出来る」
因みに、この35mのカウンターポイズに42mのワイヤーを追加して、前回失敗した
「1.8MHz用のループ状カウンターポイズ」にも再挑戦してみました。
前回の場所から大きく離して、ワイヤーエレメントと干渉しない場所に移動したところ、
見事、ATUを使わない状態でSWRを下げることができました。(1.84MHzでSWR=1.3)
やはり、前回の失敗はワイヤーエレメントとの干渉が大きな原因だったのです。
このループ状カウンターポイズにしたことによる効果(悪影響も含めて)は次の通りです。
・すっぴんでのSWRが下がった(1.84MHz:SWR1.6→SWR1.3)
・フロアノイズが”若干”低くなった(S9→S8)
・EU方面に飛ばなくなった(psk reporterで確認)
・・・カウンターポイズからの輻射が強くなり、南方向にビームが出てしまったと思われる
その後、このループ状カウンターポイズは結果が思わしくないので、追加した42mのワイヤは
取り外して、35mの同軸ケーブル被覆線だけとしました。
結果、SWR値は元の1.6に戻りましたが、更にSWRを下げる方法を模索したところ、
思いがけない方法で1.0に追い込めました!(この後の記事で紹介します)
■ 1.8MHzでのSWRを改善・・・2022.01.xx
さて、ロングワイヤーANTの締めくくりとして、1.8MHzのSWRをもっと下げる方法を
模索してみました。
主エレメントのワイヤー長さ、カウンターポイズのワイヤー長さを色々弄ってみましたが、
中心周波数は調整できるものの、どう頑張ってもSWRが1.5から下がってくれません。
そこで、カウンターポイズの先端部分を、少し地面から浮かせてみました。
すると、地べたから70cmほど浮かせた所で、SWRが下がることを発見!
給電点に入れたアンテナアナライザーと、カウンターポイズの先端を行ったり来たり・・・
何往復もするうちに、足が疲れてしまいました(汗)
しかしついに、カウンターポイズの先端1mの長さを地面から70cm浮かせることで、
SWR=1.0に追い込むことができました!
(ちなみに、カウンターポイズ全体を浮かせてもダメで、先端の1mくらいだけを地面から
浮かせるとGOOD。それよりも内側を浮かせると逆にSWRが上がってしまう。浮かせる
高さも、あまり高くしてもNGで、70cmくらいが丁度良い具合でした)
大地とカウンターポイズの間で上手く容量結合できていると推察します。
最終的な測定で、中心周波数=1.840MHzでSWR=1.05、また帯域幅は1.800~1.920MHzの
120kHz幅でSWR<1.5になりました。ANT直下で記録を取るのを失念したので、部屋での
測定値になりますが、ATU無しでの数値です。
雨が降るとSWRが悪化しますが、それでもFT8の運用周波数で1.3に収まっています。
この日以来、1.8MHzを運用する時はATUの助けを借りずに済むようになりました。
プロフィール
HN:
hezhi
性別:
男性
自己紹介:
無線と自然と夜空の星をこよなく愛するアナログおやじです。
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。
更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。
My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
160m : remain SA, AF
80m : remain AF (Cfm)
80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
mixed : 39/40
160m : 14/
80m : 28/
40m : 38/
30m : 37/
20m : 36/
17m : 38/
15m : 37/
12m : 36/
10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
mixed : 50/50
160m : 7/
80m : 30/
40m : 47/48
30m : 46/46
20m : 49/49
17m : 50/50
15m : 50/50
12m : 50/50
10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
mixed : 205/227
160m : 13/14
80m : 79/92
40m : 138/156
30m : 131/148
20m : 123/142
17m : 137/157
15m : 146/165
12m : 121/143
10m : 138/157
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。
更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。
My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
160m : remain SA, AF
80m : remain AF (Cfm)
80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
mixed : 39/40
160m : 14/
80m : 28/
40m : 38/
30m : 37/
20m : 36/
17m : 38/
15m : 37/
12m : 36/
10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
mixed : 50/50
160m : 7/
80m : 30/
40m : 47/48
30m : 46/46
20m : 49/49
17m : 50/50
15m : 50/50
12m : 50/50
10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
mixed : 205/227
160m : 13/14
80m : 79/92
40m : 138/156
30m : 131/148
20m : 123/142
17m : 137/157
15m : 146/165
12m : 121/143
10m : 138/157
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