BJYの備忘録
千葉県東総でアマチュア無線を楽しんでいます。 UHFが好きで、主に九十九里エリアでお手軽移動運用中。 ※blogというより備忘録なので、日記になってません(笑)
第27話:ロングワイヤーからG5RV,そしてZS6BKWへ(その3)
ロングワイヤーからG5RV-Halfに取り替えて1ヶ月半、
1.8MHzや3.5MHzでの意外な収穫もあって、オールバンドでそれなりに楽しんで使って来ましたが、
ハイバンドは思ったような成果が得られずに、何とかならないものだろうかと思い始めていました。
実は、前回の記事では触れていなかったのですが、G5RV-Halfを設置する際にちょっとした失敗がありました。
それは、設置高さの不足です。
最初はトップを11m高、つまりATUとラダーラインの給電部を6m高にする予定だったのですが、
いざ上げてみたら、ATUのコントロールケーブルの長さが足りないことが分かり、
今更アンテナを上げる段階でコントロールケーブルを継ぎ足す工事をする気力もなく・・・
結局、トップは8m高、ATUとラダーラインの給電部は3m高という、何とも寸足らずな高さになってしまいました。
ですから、ハイバンドで飛びを期待するのはちょっと無理があったのかもしれません。
(それにしても、この低さで1.9MHzが予想外に使えたのは驚きです)
さて、こうして次のステップにグレードアップしたいと考えた上で、次の2つのプランが浮上しました。
1)このままサイズを2倍にして、G5RV-Fullとする
2)サイズを2倍にしてG5RV-Fullとしたものをベースに、改良型のZS6BKWとして再設計する
そして、色々検討した結果、ZS6BKWの製作にチャレンジすることにしました。
(製作に際しては、JA9BKJ OMのwebがとても参考になりました)
ここで”ZS6BKW”という聞きなれないネーミングが出てきましたが、これはG5RVアンテナを50Ω系の同軸ケーブルに直接給電できるように改良したもので、考案者のZS6BKWのコールサインがそのままアンテナの俗称として通用しています。(G5RVもコールサインそのものですが、こちらは同軸ケーブルの入手が困難だった約9070年前の発案です!)
では、ZS6BKWアンテナ(以下ZS6BKWと省略)について、webで得られた情報を簡単に説明しておきます。
結論が先になってしまいますが、私自身の製作検証もカッコ内に★印で付記しました。
基本はG5RV-FullSize
基本的なエレメントサイズやラダーラインの構造はG5RVのフルサイズとほぼ同じですが、
ZS6BKWではタテヨコのサイズ比を微妙に変更して、ラダーライン終端での50Ω直接給電を可能にしています。
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)
7/14/18/24/28/50MHzがアンテナチューナー無しで運用出来る!
元々G5RVが基本なので、7/14/28が乗るのは理解できるのですが、WARCバンドの18や24、更に50MHzも50Ωで給電可能との事。本当ならば凄い話!
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)
(★1.8MHzと3.5MHzは高SWRで、RIG内蔵チューナーで何とか運用できましたが、設置環境で変わると思います)
同軸ケーブルとのマッチング(平衡/不平衡)
同軸ケーブル側に1:1のソーターバランを入れて対応させる
(★私の場合はバランなしでやってみましたが、今のところノートラブルです)
10/21MHzはSWRが高いので無理
G5RVではこれらのバンドはチューナー併用で使えたのですが、ZS6BKWではSWRが無限大近くになってしまうためNGとの事。
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)
G5RVと同じ理屈で、HalfSizeにもDoubleSizeにも展開できる
G5RV同様、HalfSizeの場合は7MHz以上、DoubleSizeの場合は1.8MHz以上で実用になるそうです。
(私の場合はまだFullSizeだけの製作経験なので、真相は不明)
と、このように10/21MHzが使えないデメリットはあるものの、それ以外のバンドはチューナー無しで運用できるので、
大きな魅力があります。またG5RVで苦手だったWARCバンドの18と24が低SWRなのは嬉しい限りです。
私の場合、現在200W固定局の免許ですが、G5RV-Halfで耐電力100WのATUを用いている関係で、100W以上のパワーが入れられません。
しかし、このZS6BKWがうまくいけば、ATUが不要になるので200WにQROすることができます。この点でもFBです。
製作編
では早速、ZS6BKWの製作に取り掛かります。
現在のG5RV-Halfからの変更は、以下の通りです。
・水平エレメント:片側が14.25m、両方で28.5mになります。
・ラダーライン:長さが13.3mになります。2線の間隔は変更しません。
(この長さは設計上なので、実際の設置環境で調整して最適長を求めます)
・ラダーラインの終端は、ATUではなく同軸ケーブルに直に接続します。
製作の要領は、前回のG5RV-Halfと同じです。ただ単に水平エレメントとラダーラインを、所定の長さになるように継ぎ足すだけです。
今回は、ラダーラインが長いため、トップは最初の計画通りに11m高になりました。
但し、11mの高さに対してラダーラインがそれ以上の長さなので、ラダーラインを斜めに引き下ろして、結局給電点は地上高1mという低さになってしまいました(笑)
調整編
このアンテナは、作って上げただけでは正常に動作しません。
50Ωの同軸ケーブルに直に給電できるよう、目的の周波数で低SWRを実現するために、
アンテナの長さ調整が必要です。
私の場合、長さ調整は、ラダーラインのみで行いました。水平エレメントでも調整可能なのかもしれませんが、
目的の周波数が単一ではないので、アンテナを上げた状態で幾つもの周波数をチェックしながら水平エレメントをカットするのは大変です。
その点、ラダーラインの終端であれば低い場所で椅子に座って調整作業が楽ですから、このやり方をお勧めします。
調整方法は、ラダーラインの先端を10mmほどビニール線を剥いて、ここにアンテナアナライザーを接続します。
実際には、アンテナアナライザーの同軸コネクタに、長さ1mの同軸ケーブル(ケーブル先端の芯線と被覆線にワニグチクリップを取り付けたもの)をつけ、ラダーラインの先端にワニグチクリップを挟んで各周波数でのSWRを測定します。
目的の周波数付近にSWRが最小になるポイントがありますので、この周波数が目的周波数より低い場合はビニール線をカットして、目的周波数より高い場合は逆にビニール線を継ぎ足す作業を繰り返し、全ての目的周波数でSWRが最小に追い込めたら終了です。
※オリジナルのラダーライン設計長は13.3mですが、これは裸銅線の場合ですから、今回のようなビニール被覆線では短縮率が作用して、全体的に低い周波数にシフトしています。ですので、基本的にはビニール線のカットのみで済むはずです。
但し、設置環境にもよると思いますが、実際には全ての目的周波数でSWRの底があるわけではありません。私の場合は次の図のようになりました。
(但し、14と24はバンド外にSWRの底があります。これをバンド内に調整することも可能ですが逆に28と50のSWRの底がどんどん高い周波数にシフトしてしまうため、このポイントで妥協しました)
3.5MHzは、低SWRにはなりませんでしたが、RIG内蔵のチューナーで何とか運用可能です。
1.8MHzは、最初は全くポイントが見つからなかったのですが、最終長で測ってみたらSWR=4になっていました。
7MHzは、広帯域です。7.0~7.2MHzがSWR1.5以内に収まっています。
28MHzはSWR最低点が上の方にあり、FT8の周波数では2.0とちょっと苦しい感じです。
50MHzは50.0~50.85の間がSWR1.5以内になりました。
↑調整時の風景。ラダーラインの先端に、ワニ口クリップで先端を加工した短い同軸ケーブルを
接続します。
↑完成したZS6BKW。今度は11mの高さに設置することができました。
運用編
このアンテナを上げてからまだ日が浅いので、レポートできるほどのQSO数ではありませんが、感触として7/14/18MHzは、G5RV-Halfに比べて飛びが良くなったと感じています。このアンテナを上げてから、DXCC(mix)が5つ増えました。ちなみに、出力は100Wのままです。
24/28/50MHzは、G5RV-Halfとあまり変わりないような感じです。もう少し様子見が必要です。
ちなみに50MHzはこのアンテナで6m&Downコンテストにも出てみましたが、GWで他エリアの局も聞こえる局とはすべてQSOできました。
プロフィール
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。
更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。
My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
160m : remain SA, AF
80m : remain AF (Cfm)
80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
mixed : 39/40
160m : 14/
80m : 28/
40m : 38/
30m : 37/
20m : 36/
17m : 38/
15m : 37/
12m : 36/
10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
mixed : 50/50
160m : 7/
80m : 30/
40m : 47/48
30m : 46/46
20m : 49/49
17m : 50/50
15m : 50/50
12m : 50/50
10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
mixed : 205/227
160m : 13/14
80m : 79/92
40m : 138/156
30m : 131/148
20m : 123/142
17m : 137/157
15m : 146/165
12m : 121/143
10m : 138/157