BJYの備忘録
千葉県東総でアマチュア無線を楽しんでいます。 UHFが好きで、主に九十九里エリアでお手軽移動運用中。 ※blogというより備忘録なので、日記になってません(笑)
第45話:7MHz用ツェップANTの製作(古典タイプ、50Ω直接給電) その1
※2021.10.xx(過去の記録です)
製作のきっかけ
前回、台風でANTマストが折れてしまったお話しをしました。
そこで、ロングワイヤーANTは解体して、手持ちの材料で何か簡単に作れそうな
アンテナはないものだろうかと、本を読んで物色していました。
あれこれ考えずに咄嗟であれば、過去に何本も作ったダイポールで即決ですが、
同じANTを繰り返し作ってみても面白くありません。
色々見ているうちに、そういえばツエップANTはまだ一度も作ったことがないなぁ
と思い始め、このANTについて調べることにしました。
ツェップANT=正式にはツェッペリンANTと言い、昔ドイツの飛行船ツェッペリン号に
使われたANTに由来しています。
ダイポールがワイヤーの中央から給電するのに対して、ツェップではワイヤーの
片方の端から給電するため、ANTの支柱がダイポールより少なくて済む反面、
ツエップでは給電点が電圧給電(高インピーダンス)になるため、そのままでは
同軸ケーブルに接続することができず、平行フィーダー(ハシゴフィーダー)を
給電線に用いて、インピーダンス整合してから同軸ケーブルに接続する必要が
あります。
大昔、同軸ケーブルが高価だった時代のアマチュアは、ハシゴフィーダーを自作して
ツェップANTは盛んに使われました。しかし現代ではハシゴフィーダーの製作が
面倒がられ、これが理由でツエップANTを自作する人は多くありません。
一方で、ワイヤーの端にハシゴフィーダーの代わりに”整合回路”を入れて、直に
同軸ケーブルで給電するタイプのANTがメーカーから多く発売されて、今では
こちらの方が圧倒的多数になってしまいました。
ちなみに、このタイプのANTは”ツェップ”とは呼ばず、”ツェップライク”と呼んで
古典的な”ツェップ”ANTと区別しています。
ちなみに、古典的な”ツェップ”ANTでも、同軸ケーブルとの接続部分に整合回路が
入ることに変わりはないのですが、ツェップライクANTの場合はマッチング部分が
ANTと同じ高さにあるため、一旦上げてしまってからの調整は困難であるといえます。
ツェップは、手元に近い高さで調整が行えるのでこの点は有利です。
さて、今回は古典的な”ツェップ”にすることに決めたのですが、製作のネックとなる
(1)ハシゴフィーダーをどうするか、(2)整合回路をどうするか、の2点について
お話ししたいと思います。
(1)ハシゴフィーダーについて
”ツェップ”のこれまでの製作記事を見ると、フィーダーは300Ω~600Ωと幅があり、
一昔前はTVの300Ωフィーダーを利用した製作例が多かったようですが、今では
一般的ではありませんので、G5RV-ANTでも使われている450Ωとして自作します。
ハシゴフィーダーの自作については、昨年のG5RV-ANTやZA6BKW-ANTの記事で
ご紹介したとおり、フィーダーに使うワイヤー径と2線間の間隔さえ間違えなければ、
必ず成功しますので大丈夫です。
(2)整合回路について
アンテナ教本に載っている”ツェップ”の整合回路は殆ど同じで、ハシゴフィーダーを
λ/4の長さにする場合、下図に示す直列同調回路になります。
この3つのVCは、調整が済んでしまえば固定コンデンサに置き換えて良いのですが、
100W運用する為には耐電圧の大きい物でなければならず、手持ちの部品が有りません。
それに、コイルも含めて調整が大変そうで、とても”お手軽”には出来ません。
あれこれ悩んでいたところ、とあるVHF用のANT製作記事が目に止まりました。
”J型ANT”
今まで名前だけは知っていたものの、簡単な構造で比較的良く飛ぶ、程度の知識で、
特に気にせず素通りしていたANT。
実はこの”J型”ANTこそが、ツェップANTの別の姿だったことを初めて知りました。
下図をご覧ください。
1λ(λ/2×2)のワイヤーの、A-B間の中点(λ/4の位置)に交流(RF)を挿入します。
A-Bを折り曲げると、平行フィーダー(ハシゴフィーダー)になります。この部分は
電流の位相が互いに逆のため、電波は殆ど発射されません。(給電線となる)
残りのB-Cのワイヤが、アンテナとして動作します。これが”ツェップ”ANTです。
この、B-Cのワイヤを縦にすると・・・何と、”J型”ANTになります。
そして、実際のJ型ANTの製作では、LCを用いた特別な整合回路は使っていません。
同軸ケーブルの給電ポイントをスライドして、50Ωに整合させています!
ツェップとJ型、HFとVHFの違いはあるにせよ、動作原理が同じなのだから、
ツェップでも、この”同軸ケーブル直接給電”方式が出来るはず!
と期待が膨らみます。
ツェップアンテナの原理(出典:ワイヤーアンテナハンドブック)
J型アンテナの製作記事(出典:ワイヤーアンテナハンドブック)
この図ではTVフィーダーで給電しているが、同軸ケーブルで給電している記事も存在する
J型ANTの製作例を参考にした”同軸ケーブル直接給電”。果たして成功するかどうか
ー記事は続きますー 次回乞うご期待
製作のきっかけ
前回、台風でANTマストが折れてしまったお話しをしました。
そこで、ロングワイヤーANTは解体して、手持ちの材料で何か簡単に作れそうな
アンテナはないものだろうかと、本を読んで物色していました。
あれこれ考えずに咄嗟であれば、過去に何本も作ったダイポールで即決ですが、
同じANTを繰り返し作ってみても面白くありません。
色々見ているうちに、そういえばツエップANTはまだ一度も作ったことがないなぁ
と思い始め、このANTについて調べることにしました。
ツェップANT=正式にはツェッペリンANTと言い、昔ドイツの飛行船ツェッペリン号に
使われたANTに由来しています。
ダイポールがワイヤーの中央から給電するのに対して、ツェップではワイヤーの
片方の端から給電するため、ANTの支柱がダイポールより少なくて済む反面、
ツエップでは給電点が電圧給電(高インピーダンス)になるため、そのままでは
同軸ケーブルに接続することができず、平行フィーダー(ハシゴフィーダー)を
給電線に用いて、インピーダンス整合してから同軸ケーブルに接続する必要が
あります。
大昔、同軸ケーブルが高価だった時代のアマチュアは、ハシゴフィーダーを自作して
ツェップANTは盛んに使われました。しかし現代ではハシゴフィーダーの製作が
面倒がられ、これが理由でツエップANTを自作する人は多くありません。
一方で、ワイヤーの端にハシゴフィーダーの代わりに”整合回路”を入れて、直に
同軸ケーブルで給電するタイプのANTがメーカーから多く発売されて、今では
こちらの方が圧倒的多数になってしまいました。
ちなみに、このタイプのANTは”ツェップ”とは呼ばず、”ツェップライク”と呼んで
古典的な”ツェップ”ANTと区別しています。
ちなみに、古典的な”ツェップ”ANTでも、同軸ケーブルとの接続部分に整合回路が
入ることに変わりはないのですが、ツェップライクANTの場合はマッチング部分が
ANTと同じ高さにあるため、一旦上げてしまってからの調整は困難であるといえます。
ツェップは、手元に近い高さで調整が行えるのでこの点は有利です。
さて、今回は古典的な”ツェップ”にすることに決めたのですが、製作のネックとなる
(1)ハシゴフィーダーをどうするか、(2)整合回路をどうするか、の2点について
お話ししたいと思います。
(1)ハシゴフィーダーについて
”ツェップ”のこれまでの製作記事を見ると、フィーダーは300Ω~600Ωと幅があり、
一昔前はTVの300Ωフィーダーを利用した製作例が多かったようですが、今では
一般的ではありませんので、G5RV-ANTでも使われている450Ωとして自作します。
ハシゴフィーダーの自作については、昨年のG5RV-ANTやZA6BKW-ANTの記事で
ご紹介したとおり、フィーダーに使うワイヤー径と2線間の間隔さえ間違えなければ、
必ず成功しますので大丈夫です。
(2)整合回路について
アンテナ教本に載っている”ツェップ”の整合回路は殆ど同じで、ハシゴフィーダーを
λ/4の長さにする場合、下図に示す直列同調回路になります。
この3つのVCは、調整が済んでしまえば固定コンデンサに置き換えて良いのですが、
100W運用する為には耐電圧の大きい物でなければならず、手持ちの部品が有りません。
それに、コイルも含めて調整が大変そうで、とても”お手軽”には出来ません。
あれこれ悩んでいたところ、とあるVHF用のANT製作記事が目に止まりました。
”J型ANT”
今まで名前だけは知っていたものの、簡単な構造で比較的良く飛ぶ、程度の知識で、
特に気にせず素通りしていたANT。
実はこの”J型”ANTこそが、ツェップANTの別の姿だったことを初めて知りました。
下図をご覧ください。
1λ(λ/2×2)のワイヤーの、A-B間の中点(λ/4の位置)に交流(RF)を挿入します。
A-Bを折り曲げると、平行フィーダー(ハシゴフィーダー)になります。この部分は
電流の位相が互いに逆のため、電波は殆ど発射されません。(給電線となる)
残りのB-Cのワイヤが、アンテナとして動作します。これが”ツェップ”ANTです。
この、B-Cのワイヤを縦にすると・・・何と、”J型”ANTになります。
そして、実際のJ型ANTの製作では、LCを用いた特別な整合回路は使っていません。
同軸ケーブルの給電ポイントをスライドして、50Ωに整合させています!
ツェップとJ型、HFとVHFの違いはあるにせよ、動作原理が同じなのだから、
ツェップでも、この”同軸ケーブル直接給電”方式が出来るはず!
と期待が膨らみます。
ツェップアンテナの原理(出典:ワイヤーアンテナハンドブック)
J型アンテナの製作記事(出典:ワイヤーアンテナハンドブック)
この図ではTVフィーダーで給電しているが、同軸ケーブルで給電している記事も存在する
J型ANTの製作例を参考にした”同軸ケーブル直接給電”。果たして成功するかどうか
ー記事は続きますー 次回乞うご期待
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プロフィール
HN:
hezhi
性別:
男性
自己紹介:
無線と自然と夜空の星をこよなく愛するアナログおやじです。
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。
更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。
My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
160m : remain SA, AF
80m : remain AF (Cfm)
80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
mixed : 39/40
160m : 14/
80m : 28/
40m : 38/
30m : 37/
20m : 36/
17m : 38/
15m : 37/
12m : 36/
10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
mixed : 50/50
160m : 7/
80m : 30/
40m : 47/48
30m : 46/46
20m : 49/49
17m : 50/50
15m : 50/50
12m : 50/50
10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
mixed : 205/227
160m : 13/14
80m : 79/92
40m : 138/156
30m : 131/148
20m : 123/142
17m : 137/157
15m : 146/165
12m : 121/143
10m : 138/157
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。
更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。
My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
160m : remain SA, AF
80m : remain AF (Cfm)
80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
mixed : 39/40
160m : 14/
80m : 28/
40m : 38/
30m : 37/
20m : 36/
17m : 38/
15m : 37/
12m : 36/
10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
mixed : 50/50
160m : 7/
80m : 30/
40m : 47/48
30m : 46/46
20m : 49/49
17m : 50/50
15m : 50/50
12m : 50/50
10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
mixed : 205/227
160m : 13/14
80m : 79/92
40m : 138/156
30m : 131/148
20m : 123/142
17m : 137/157
15m : 146/165
12m : 121/143
10m : 138/157
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