忍者ブログ
Admin | Write | Comment

BJYの備忘録

千葉県東総でアマチュア無線を楽しんでいます。 UHFが好きで、主に九十九里エリアでお手軽移動運用中。 ※blogというより備忘録なので、日記になってません(笑)

第6話:ヘンテナとフォークヘンテナ

「ヘンテナ」という名前のアンテナをご存じでしょうか?
1970年代に、FCZ研究所のJH1FCZ局が所属する相模クラブで、一人の中学生ハム局の考案から
開発が始まったアンテナと聞いています。

その後、ネーミングの怪しさから一般誌にはあまり紹介されませんでしたが、50MHzを中心に
アクティブな若いハム局からは支持されて、現在に至っています。

メーカー市販品は現在ありませんが、単純な構造で自作も簡単に出来ますので、今回ここで
取り上げてみたいと思います。
あわせて、このアンテナの変形である「フォークヘンテナ」もご紹介します。


■ヘンテナ(基本形)

このアンテナの基本形は、次のような形をしています。


文献によると、最初は正方形のクワッドを上下2つにしたものを、SWRを下げるために
試行錯誤して変形したところ、この形に落ち着いたとのことです。

特徴的なのは、給電部のエレメントをスライドしてSWRを下げるやりかたです。
この方法がユニークなので、「変なアンテナ」→「ヘンテナ」という名称になったようです。

今では、このアンテナが、単体でDP比で数dbのゲインがあることが立証されています。
50MHzでは水平偏波で縦3mと、ちょっと大きめになりますが、スペース的に八木が上げる
のが難しいちょっとした移動などで重宝します。

給電点の同軸ケーブルとのマッチングは、1:1のバズーカーマッチが良く知られていますが、
私のズボラなやりかた(同軸ケーブルの直接給電)でも何ら問題なく使えます。

紹介記事などではしばしば横幅がλ/6と紹介されていますが、実際にはもう少し幅狭の0.147λで
設計すると、簡単に50ΩでSWRが下がります。


■フォークヘンテナ

ヘンテナの縦エレメントを下半分だけにしたユニークなアンテナで、フォークのような形を
していることからネーミングになったようです。

ループアンテナとしてのゲインは失われますが、それでもダイポールと同等のゲインがあり、
8の字指向性もなくなりますので、八方美人のようなアンテナだと言われています。

50MHzでは横1m、縦1.5mですので、3mのダイポールよりずっとコンパクトになります。


■ベントフォークアンテナ

最後にご紹介するのは、小さいフォークヘンテナをさらに折り曲げて最小の大きさにした、
究極のコンパクトアンテナです。


大きさは、50Mhzで横1m×縦1m、スクエアローよりもちょっとだけ大きいだけのサイズです。
が、実感はスクエアローに比べてDPに近いゲインがあります。
144や430では製作しても実用性はないと考えますが、50MHz以下のバンドではコンパクトな
サイズでメリットがあると思います。

アパマンハムだった頃、ベランダにモービルホイップとこのアンテナを並べて比較したことが
ありますが、その差は歴然でした。

欠点は、SWRの整合範囲が狭く、調整がクリチカルな事ですが、これだけ小さいアンテナ
ですから、やむを得ないのかも知れません。

拍手[3回]

PR

NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 

私も昔、50MHzで使っていました (^^;)

BJYさん、こんにちは。いつもありがとうございます。
記事を公開されてから、遅いコメントで失礼いたします。

私は、ヘンテナ…は知っておりましたが、フォークヘンテナは初耳です。

そうですね。
昔、私の父が居た頃、父は50MHzにアクティブだった事もあってでしょうか。
確かに大きなヘンテナを作ってもらった事がありました。

ヘンテナは奥が深いのですね。
私が高校生の頃は、ただ父に作ってもらったヘンテナとFT-680で、Eスポが出た時に6エリアや8エリアと交信しただけだったのですが…。

確かに今は大きなアンテナを建てられないので、このようにコンパクトで出来るのはいいですね。

Re:私も昔、50MHzで使っていました (^^;)

そうですか。NVLさんも6mでお使いになった経験がありましたか。

簡単で、失敗がない、そこそこ使える、お手軽の見本みたいなANTですが、
私自身は、特にヘンテナに造詣があるわけではありません。

実は、今回あえてヘンテナを紹介した理由は、このANTの形や給電方法が
他のANTへの応用(ヒント)になるかもしれないことを、記事の続編として
書いてみたかったからです。

ここでの"応用"とは、過去に紹介された"Hヘンテナ"とかではなく、ごく当り前な
八木、クワッド、ロングワイヤーのことです。

記事をまとめるまで、いましばらくお時間を頂けるとありがたいです。
  • from hezhi |
  • 2020/12/04 (01:34)
  

プロフィール

HN:
hezhi
性別:
男性
自己紹介:
無線と自然と夜空の星をこよなく愛するアナログおやじです。
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。

更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。

My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
  160m : remain SA, AF
  80m : remain AF (Cfm)
  80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
  mixed : 39/40
  160m : 14/
  80m : 28/
  40m : 38/
  30m : 37/
  20m : 36/
  17m : 38/
  15m : 37/
  12m : 36/
  10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
  mixed : 50/50
  160m : 7/
  80m : 30/
  40m : 47/48
  30m : 46/46
  20m : 49/49
  17m : 50/50
  15m : 50/50
  12m : 50/50
  10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
  mixed : 205/227
  160m : 13/14
  80m : 79/92
  40m : 138/156
  30m : 131/148
  20m : 123/142
  17m : 137/157
  15m : 146/165
  12m : 121/143
  10m : 138/157

P R

Copyright ©  -- BJYの備忘録 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / photo by Gaenseblumchen / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]