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BJYの備忘録

千葉県東総でアマチュア無線を楽しんでいます。 UHFが好きで、主に九十九里エリアでお手軽移動運用中。 ※blogというより備忘録なので、日記になってません(笑)

第27話:ロングワイヤーからG5RV,そしてZS6BKWへ(その3)

ZS6BKW(Full-Size)編


ロングワイヤーからG5RV-Halfに取り替えて1ヶ月半、
1.8MHzや3.5MHzでの意外な収穫もあって、オールバンドでそれなりに楽しんで使って来ましたが、
ハイバンドは思ったような成果が得られずに、何とかならないものだろうかと思い始めていました。

実は、前回の記事では触れていなかったのですが、G5RV-Halfを設置する際にちょっとした失敗がありました。
それは、設置高さの不足です。
最初はトップを11m高、つまりATUとラダーラインの給電部を6m高にする予定だったのですが、
いざ上げてみたら、ATUのコントロールケーブルの長さが足りないことが分かり、
今更アンテナを上げる段階でコントロールケーブルを継ぎ足す工事をする気力もなく・・・
結局、トップは8m高、ATUとラダーラインの給電部は3m高という、何とも寸足らずな高さになってしまいました。

ですから、ハイバンドで飛びを期待するのはちょっと無理があったのかもしれません。
(それにしても、この低さで1.9MHzが予想外に使えたのは驚きです)

さて、こうして次のステップにグレードアップしたいと考えた上で、次の2つのプランが浮上しました。
1)このままサイズを2倍にして、G5RV-Fullとする
2)サイズを2倍にしてG5RV-Fullとしたものをベースに、改良型のZS6BKWとして再設計する

そして、色々検討した結果、ZS6BKWの製作にチャレンジすることにしました。
(製作に際しては、JA9BKJ OMのwebがとても参考になりました)



ここで”ZS6BKW”という聞きなれないネーミングが出てきましたが、これはG5RVアンテナを50Ω系の同軸ケーブルに直接給電できるように改良したもので、考案者のZS6BKWのコールサインがそのままアンテナの俗称として通用しています。(G5RVもコールサインそのものですが、こちらは同軸ケーブルの入手が困難だった約9070年前の発案です!)

では、ZS6BKWアンテナ(以下ZS6BKWと省略)について、webで得られた情報を簡単に説明しておきます。
結論が先になってしまいますが、私自身の製作検証もカッコ内に★印で付記しました。

基本はG5RV-FullSize
基本的なエレメントサイズやラダーラインの構造はG5RVのフルサイズとほぼ同じですが、
ZS6BKWではタテヨコのサイズ比を微妙に変更して、ラダーライン終端での50Ω直接給電を可能にしています。
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)

7/14/18/24/28/50MHzがアンテナチューナー無しで運用出来る!
元々G5RVが基本なので、7/14/28が乗るのは理解できるのですが、WARCバンドの18や24、更に50MHzも50Ωで給電可能との事。本当ならば凄い話!
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)
(★1.8MHzと3.5MHzは高SWRで、RIG内蔵チューナーで何とか運用できましたが、設置環境で変わると思います)

同軸ケーブルとのマッチング(平衡/不平衡)
同軸ケーブル側に1:1のソーターバランを入れて対応させる
(★私の場合はバランなしでやってみましたが、今のところノートラブルです)

10/21MHzはSWRが高いので無理
G5RVではこれらのバンドはチューナー併用で使えたのですが、ZS6BKWではSWRが無限大近くになってしまうためNGとの事。
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)

G5RVと同じ理屈で、HalfSizeにもDoubleSizeにも展開できる
G5RV同様、HalfSizeの場合は7MHz以上、DoubleSizeの場合は1.8MHz以上で実用になるそうです。
(私の場合はまだFullSizeだけの製作経験なので、真相は不明)

と、このように10/21MHzが使えないデメリットはあるものの、それ以外のバンドはチューナー無しで運用できるので、
大きな魅力があります。またG5RVで苦手だったWARCバンドの18と24が低SWRなのは嬉しい限りです。
私の場合、現在200W固定局の免許ですが、G5RV-Halfで耐電力100WのATUを用いている関係で、100W以上のパワーが入れられません。
しかし、このZS6BKWがうまくいけば、ATUが不要になるので200WにQROすることができます。この点でもFBです。

製作編


では早速、ZS6BKWの製作に取り掛かります。
現在のG5RV-Halfからの変更は、以下の通りです。
・水平エレメント:片側が14.25m、両方で28.5mになります。
・ラダーライン:長さが13.3mになります。2線の間隔は変更しません。
 (この長さは設計上なので、実際の設置環境で調整して最適長を求めます)
・ラダーラインの終端は、ATUではなく同軸ケーブルに直に接続します。

製作の要領は、前回のG5RV-Halfと同じです。ただ単に水平エレメントとラダーラインを、所定の長さになるように継ぎ足すだけです。

今回は、ラダーラインが長いため、トップは最初の計画通りに11m高になりました。
但し、11mの高さに対してラダーラインがそれ以上の長さなので、ラダーラインを斜めに引き下ろして、結局給電点は地上高1mという低さになってしまいました(笑)

調整編



このアンテナは、作って上げただけでは正常に動作しません。
50Ωの同軸ケーブルに直に給電できるよう、目的の周波数で低SWRを実現するために、
アンテナの長さ調整が必要です。

私の場合、長さ調整は、ラダーラインのみで行いました。水平エレメントでも調整可能なのかもしれませんが、
目的の周波数が単一ではないので、アンテナを上げた状態で幾つもの周波数をチェックしながら水平エレメントをカットするのは大変です。
その点、ラダーラインの終端であれば低い場所で椅子に座って調整作業が楽ですから、このやり方をお勧めします。

調整方法は、ラダーラインの先端を10mmほどビニール線を剥いて、ここにアンテナアナライザーを接続します。
実際には、アンテナアナライザーの同軸コネクタに、長さ1mの同軸ケーブル(ケーブル先端の芯線と被覆線にワニグチクリップを取り付けたもの)をつけ、ラダーラインの先端にワニグチクリップを挟んで各周波数でのSWRを測定します。
目的の周波数付近にSWRが最小になるポイントがありますので、この周波数が目的周波数より低い場合はビニール線をカットして、目的周波数より高い場合は逆にビニール線を継ぎ足す作業を繰り返し、全ての目的周波数でSWRが最小に追い込めたら終了です。
※オリジナルのラダーライン設計長は13.3mですが、これは裸銅線の場合ですから、今回のようなビニール被覆線では短縮率が作用して、全体的に低い周波数にシフトしています。ですので、基本的にはビニール線のカットのみで済むはずです。

但し、設置環境にもよると思いますが、実際には全ての目的周波数でSWRの底があるわけではありません。私の場合は次の図のようになりました。

7/14/18/24/28/50MHzは、事前の情報通り、バンド内で低SWRにすることができました。
(但し、14と24はバンド外にSWRの底があります。これをバンド内に調整することも可能ですが逆に28と50のSWRの底がどんどん高い周波数にシフトしてしまうため、このポイントで妥協しました)

3.5MHzは、低SWRにはなりませんでしたが、RIG内蔵のチューナーで何とか運用可能です。
1.8MHzは、最初は全くポイントが見つからなかったのですが、最終長で測ってみたらSWR=4になっていました。
7MHzは、広帯域です。7.0~7.2MHzがSWR1.5以内に収まっています。
28MHzはSWR最低点が上の方にあり、FT8の周波数では2.0とちょっと苦しい感じです。
50MHzは50.0~50.85の間がSWR1.5以内になりました。


 ↑調整時の風景。ラダーラインの先端に、ワニ口クリップで先端を加工した短い同軸ケーブルを
 接続します。

 ↑完成したZS6BKW。今度は11mの高さに設置することができました。

運用編

このアンテナを上げてからまだ日が浅いので、レポートできるほどのQSO数ではありませんが、感触として7/14/18MHzは、G5RV-Halfに比べて飛びが良くなったと感じています。このアンテナを上げてから、DXCC(mix)が5つ増えました。ちなみに、出力は100Wのままです。

24/28/50MHzは、G5RV-Halfとあまり変わりないような感じです。もう少し様子見が必要です。
ちなみに50MHzはこのアンテナで6m&Downコンテストにも出てみましたが、GWで他エリアの局も聞こえる局とはすべてQSOできました。

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第26話:ロングワイヤーからG5RV,そしてZS6BKWへ(その2)

G5RV-Half編


さて、こうしてG5RVのハーフサイズのアンテナを作ることを決意した訳ですが、今一度、webに記載されている情報を元に
このアンテナの特性をおさらいしてみることにします。

・形状は水平ダイポールとほぼ同じで、違いは縦の部分が同軸ケーブルではなくハシゴフィーダーを用いており、この部分もアンテナとして動作する
(なので、これ以降はハシゴフィーダーとは呼ばずに、ラダーラインと表記します)

・サイズに関しては、水平部のエレメントが片側15.56m(全長31.12m)、ラダーラインが10.4mで、これがFull-Sizeの基本形となる

・サイズ違いの派生バージョンとして、Half-Size、Double-Sizeなどがあり、Full-Sizeでは3.5MHz以上、Half-Sizeでは7MHz以上、
Double-Sizeでは1.8MHz以上の周波数が実用になる

・マルチバンド用として使用が可能で、設計周波数の偶数倍の周波数では、高調波アンテナとして動作する。
一例として、Full-Sizeの場合は3.5/7/14/28MHz用、Half-Sizeの場合は7/14/28MHz用となり、21MHzやWARCバンドでは非同調のため効率は良くない

・ラダーラインは、450Ω、300Ωなどの平行2線を用いる。また、給電点インピーダンスが高いので、4:1のバランを介して50Ω同軸ケーブルと接続する
(私の場合は、設計周波数以外のバンドや非同調のWARCバンドも含めて試してみたかったので、バランを通さずにATU(ICOM AH-3)によるマッチングとしました)

このアンテナの動作原理や、ラダーラインの2線間の間隔の計算式は、各局のwebに詳しい情報がありますので、
まずはそれらのwebを参考にされてください。私は、JA9TTT OMの記事を参考にさせて頂きました。

次は、製作編です。


<材料>
アンテナマスト:グラスファイバー釣り竿:私は以前からロングワイヤーで使っていた8m物の竿をそのまま流用しました。
もし金属製のマストを使う場合は、ラダーラインをなるべくマストから離すように工夫が必要です。
水平エレメント:VFF-0.5S-WR ビニール被覆銅線平行線(色:白) 長さ7.74m+α
ラダーライン:VFF-1.25S-RWR ビニール被覆銅線平行線(色:赤白) 長さ5.16m+α
※平行線はあとで2つに裂いて単線2本として用いますが、単線を2本別々に購入するよりも長さが確実に均等になり、
長さの目印のマーカーを書く場合も平行線ならば1回で済みますので手間がかかりません。
<ラダーラインのセパレータ>
DIY店で手に入る、配線用のモールの下部分だけを短冊状にカットして使います。G5RV-Halfであれば、1m物が1本あれば十分です。
4:11:9バラン>
今回の例では屋外用のATU(オートアンテナチューナー)を使いますので、バランは不要です。
<その他小物>
インシュロック(小):ラダーラインのセパレータを固定するために用います。一袋50個~100個入りで売っています。
水平エレメントとラダーラインの接続部分を保持するための部品:昔からダイポールの給電点の定番である「波型ガイシ」が使えますが、私は手持ちの軽量の耐候性の樹脂(農業用のビニールハウスに使う留め具の、中の金属を抜いたもの)を使いました。
クレモナロープ:耐候性のロープなら何でもOKです。水平エレメントの両端をロープで支柱に固定するために使います。

製作手順


・まず、ラダーラインの製作から取り掛かります。
ラダーラインはG5RVアンテナの要所です。これが出来上がれば、このアンテナの90%は完成したことになります。
1)VFF-1.25S-赤白の平行ビニール線を、2線のまま、5.16mの長さにカットします。
カット後、そのまま真っ直ぐに伸ばし、20cm間隔で、油性マジックで印を書きます(2線とも印がわかるように)。
この印は、あとでセパレータを入れる際の目印となります。
2)配線用モールを下の部分(平らな面の方)だけを取り外します。コの字の面の方はこれ以降使用しません。
3)2)の配線用モールを、35mmずつ短冊状にカットします。大きめのニッパーで簡単に切れます。
4)3)で短冊状にカットしたものに、27mmの間隔で、3.5mm径の穴を2か所に穴をあけます。
27mmというのは、1.25mm径の銅線を使った場合の450Ωラダーラインにおける2線の間隔です。
5)平行ビニール線を2つに裂き、穴あけが済んだ短冊モールを、各々の単線に入れていきます。
この時、モールの平らな面が下側になるようにします。(あとでインシュロックで固定する際に同じ位置に揃えるため)
6)先にビニール線に印をつけておいた所に、上の先端の方から順次、セパレータを移動させ、インシュロックで固定します。
固定方法は、セパレータの下面でインシュロックで単線を結び、インシュロックが動かないように固定します。
(セパレータの上面は固定する必要はありません。どのみちアンテナを上げれば重力でセパレータはきれいに等間隔に並びます)
7)最後に、ビニール単線の両端を10mmくらい剥いて、ハンダ上げします。

 
 ↑ラダーラインに使うビニール被覆の平行2線。わざわざ赤白を選んだのは、アンテナを上げた時に
 ラダーラインが途中で捻れていないかどうかを色で確認するためです。

 ↑DIY店で売っている配線モール。今回は下の面だけを使います。

 ↑インシュロック。束線バンドのことです。

 ↑モールを35mmの短冊にカットして、間隔27mmで2か所の穴を開けます。穴径は3.5mm
 これをラダーラインのセパレータとして用います。

 ↑単線にセパレータを通し、あらかじめマーキングしておいた位置に、インシュロックでバインドします。
 セパレータは平らな面が下になるようにします。こうすることでインシュロックがストッパーとなり、セパレータの落下防止の役割をします。
 この作業は面倒でもセパレータ1個ずつ行うことをおすすめします。

 ↑ラダーラインの全体の姿はこんな感じです。

・次に、平行エレメントの切り出しと、ラダーラインとの接続を行います。

平行エレメントの加工はいたって簡単です。
1)VFF-0.5S-白白の平行ビニール線を、2線のまま、7.74mの長さにカットします。
2)平行ビニール線を2つに裂き、単線になった片側を10mmくらい剥いて、ハンダ上げします。

・最後に、平行エレメントとラダーラインを連結して完成です。

1)波型ガイシなどの樹脂の穴に、平行エレメントとラダーラインを直にハンダ付けしてインシュロックで固定します。
ダイポールを張る場合と同様に、タテヨコのエレメントに大きな力が加わらないように工夫してください。

・実際に設置する際には、ラダーラインが途中でクロスせずに真っすぐ降りていることを確認してください。
ラダーラインが途中で金属物や建物に接近している場合は、斜めになっても構わないので出来るだけそれらの障害物から離すように工夫します。
・水平部のエレメントはダイポール同様に、逆V型にしても問題ありません。
・ラダーラインの終端は、ATUのANT端子とアース端子に各々接続します。


 ↑左:ラダーラインのクローズアップ。マストはグラスファイバーの釣り竿
  右:G5RV-Halfを8m高に設置。遠くから見るとダイポールとそっくり

運用編


ATU(AH-3)を使用して、1.8/3.5/7/10/14/18/21/24/28MHzの各バンドで快適にチューニングが取れます。
以前上げていた20m長のロングワイヤーはハイバンドで時々チューンできないことがあったのですが、
このアンテナではそのような事象は1回も起きていません。

各バンドで実運用した感触は以下の通りです。
1.8/3.5・・・G5RVのハーフサイズではこの2つのバンドは範囲外なのですが、実際に使ってみると予想外に飛びます。
特に1.8MHzは耳も飛びもロングワイヤーと遜色なく、FT8でJD1やUA0がストレスなくQSOできます。不思議です。
7/14・・・このアンテナの設計上のメイン周波数なので、ロングワイヤー同等かそれ以上に飛んでいる感じです。
10/18・・・ロングワイヤーよりやや劣る感じですが、一応EUもAFもQSOできました。
21/24/28・・・本当はこのアンテナでこれらのハイバンドに期待していたのですが、コンディションのせいなのか
それとも指向性のせいなのか、パッとしません。国内のQSOには問題ありませんが、DXにはちょっと苦しい感じがします。



これらの運用結果から、ほどなくフルサイズのG5RVにグレードアップする計画を立てました。
でも、どうせやるのだったら単にサイズを2倍にするだけでなく、以前から気になっていたG5RVの改良型 ーZS6BKWー の製作にチャレンジすることにしました。

(その3に続く)

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第25話:ロングワイヤーからG5RV,そしてZS6BKWへ(その1)

ープロローグー


先の記事で、今年上半期のQSO成果をご紹介しましたが、HF帯のDXでは何と言ってもアンテナが大きなポイントになります。
今年に入って、ダイポール→ループ→ロングワイヤー(その1、その2、その3)と、試行錯誤を繰り返して来ましたが、
続々届くDX局のeQSLカードを見てみると、"G5RV"というアンテナをお使いの局が多いことがわかりました。

恥ずかしながら、私自身はこのアンテナについて、名前は知っていたものの、詳しい知識は持っていなかったのですが、調べるうちに
とても魅力的なアンテナだということが分かってきました。

G5RVアンテナの特徴は、
1) マルチバンドに使える
(フルサイズでは3.5MHz以上、半分のサイズはG5RV-HalfまたはG5RV-Jrと呼ばれ、7MHz以上で実用になる)
2) トラップのような構造物がないので、軽量でメンテが不要
3) 給電にハシゴフィーダーを用い、この部分もアンテナとして動作する
4) 50Ω同軸ケーブルとは1:41:9のバランを介して接続する
とあり、特に1)はHFのマルチバンドをたった1本のアンテナでカバーすることができるので、大変魅力的です。

2)についても、私は数年前に、1本のアンテナで1.9MHz/3.5MHz/7MHzをカバーするトラップダイポールを自作して使用したことが
ありますが、やはりトラップの重量が負担となり、例の千葉県を襲った台風で粉々に切れてしまった経験があるので、
軽量でメンテフリーのG5RVは、この点でも私にとって魅力的です。

3)のハシゴフィーダーはこのアンテナの一番のカナメで、昔、電気店で普通に売っていた300ΩのTVフィーダーは、
今では店頭で見かけなくなり、海外製の450Ωフィーダーもありますが、高価で入手が困難です。
こうなると自作するしかありませんが、昔々の時代ならともかく、現代のアンテナはほとんどが同軸ケーブルでの給電ですから、
ハシゴフィーダーを作ったことのある方はごく少数ではないかと思います。

昔のアンテナ教科書には、ハシゴフィーダーを作るには、銅線を焼きいれして、2線間を固定するためのセパレータには
パラフィンを塗布した割り箸を使って・・・とか、ややこしいことが書かれています。
でも、ここまでしなくても、ハシゴフィーダーは自作出来ます。

一番簡単なのは、銅線は裸銅線の代わりにビニール被覆線を使い、セパレータは割り箸の代わりに樹脂を使うことです。
セパレータの材料によって耐久性が決まりますが、何年も上げっぱなしにするつもりがなければ、これからご紹介する「配線モール」で事が足ります。

こうして、段々プランが固まり、まずはハイバンド目的でG5RV-Halfを作ってみようと思い、ALL JAコンテストの直前に
製作に取りかかることにしました。

(その2に続く)

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第24話:2021 上半期のQSO成果

本格的な梅雨の季節になりましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、またまたブログの更新をサボってしまいましたが、この間、
無線活動の方は元気に続けておりました。
そこで、2021年もちょうど半年を過ぎたので、このタイミングで
この半年間のQSO成果をご紹介したいと思います。

まずはQSO数・・・3455QSO。
週末を中心に、常置場所から運用した交信局数です。
日程の都合で、コンテストにはほとんど出ていません。
年初のQSOパーティーと、ALL JAで合計数十局だけです。
あとは、ほとんどHF帯のFT8モードでの交信でした。
昨年のQSO総数が753ですから、いかにハイペースか分かります。
この分で行くと年末には7000QSO?・・・いやいや無理でしょう(笑)

これ以降は、DX(OverSea:海外局)の話題になります。
実は、現在のコールサインを頂いてから今年まで、まともに海外とQSOした
ことはありませんでした。(DXコンテストには何回か参加しました)
昔、学生時代に開局した1975年から数年間は、ローカル局の影響もあって
冷や汗をかきながら英語で海外局とも交信していましたが、特に目標が
無かったので、のめり込むことはありませんでした。

ところが、今年に入ってHF帯のFT8モードに出るようになって、状況は一変。
最初のうちは7MHzの国内専用周波数だけで出ていたのですが、このモードの
慣例で普通は2ndQSOを行わないので、QSO数を伸ばすうちに段々1stの局が
見つからなくなり、必然的に他の周波数に行くことになるのですが、FT8では
国内専用周波数があるのは3.5MHzと7MHzだけで、それ以外の周波数は海外局
と国内局がフリーで使用する決まりになっています。
(但し3573KHzと7074KHzのFT8周波数は日本国内局同士の交信が禁止)
実際にこれらの周波数に出てみると、ほとんどが海外局ばかりです。
海外局がOPENしていない、あるいは近隣国だけの場合には、JA局同士の
交信も見えますが、何せバンド幅が3KHzしかありませんから、JA各局は
紳士的にDX局に迷惑にならないようにQSOしているように見えます。
14MHz以上のハイバンドにも出られるようになった3月くらいから、
海外局とのQSOの割合が徐々に増えていきました。

最初のうちは、QSOできそうな強い局を片っ端からコールしていたのですが、
そのうちに段々とQSO出来る局とそうでない局の傾向がつかめるようになり、
自分からCQを出すようになってさらにその傾向はハッキリしてきました。
一言でいうと、出力パワーと伝搬状態(コンディション)につきます。

DX局の多くは、こちらの送信出力(30W~100W)よりもはるかに大きく、
eQSLやQRZ.comのプロフィール写真などを見ると、kW級のリニアアンプを
使っていることがわかります。-18dbくらいの信号で入感しているこんな局を
いくらコールしてみても返事が返ってこないのは当然なのです。

また、普段は+dbで強力に聞こえる局が、その日は-10db程度にしか入感して
いない場合は、その方面のコンディションは悪いと言えます。JA局を除いて、
DX局の信号が平均的に-10db以下の場合は、CQを出しても応答率は非常に
低いので、さっさと他のバンドに移るかQRTするようにしています。

ただ、不思議な事に、これは経験的に昔からあることなのですが、
HFの電波の飛び方は「西低東高」だと感じます。
具体的に言うと、アメリカの中西部にはこちらが5WのQRPでもちゃんと
届くのに、ヨーロッパ方面には100Wでも全くダメ、という具合です。

なので、アメリカのkW局のCQが-10dbで入感している時に、ダメ元で
100Wで応答すると、ちゃんと返事が返ってくるどころか、-10dbより良い
レポートを貰えるケースが多いです。(但し東海岸は除く)

逆に、ヨーロッパの100W局のCQが-10dbで入感している場合には、
同じ100Wで応答しても10db低い-20dbくらいでレポートが返ってくるか、
最悪は全く返事がないこともあります。

これは、こちらがCQを出して呼ばれる側になった場合でも全く同じ傾向で、
W方面からは時折-20dbとかのカスカスの信号で呼ばれる時がありますが、
EU方面からは-10dbより強い局だけが呼んでくれる、そんな感じです。

さて、前置きが長くなりましたが、上記のような要領でこの半年間のDX局との
QSOの実績を表にしてみましたので、これからFT8でDXにトライされる方の
ご参考になれば幸いです。ちなみに、アンテナはすべてワイヤーアンテナです。
(ダイポール、ループ、ロングワイヤー、G5RV、ZS6BKW)
アンテナについてはG5RVとZS6BKWは最近上げたものなので、別の記事で
追ってご紹介したいと思います。

まずはWAC(6大陸)から

難しいと思っていたAF(アフリカ)が、7バンドでQSOできたのには自分でも
ビックリです。
3.5MHzのEUとAFは、まだ信号が弱いので、今冬のコンディションに期待です。
21,24,28MHzは、DXシーズンの3月にまだANTが無かったので、普通にできる
はずの北米や南米が抜けています(笑)

次にDXCC(世界の異なる100エンティティ、昔は100カントリーと言いました)
バンドMIXでの成果です。

青色はLoTWでCFM、黄色はeQSLでCFM、白色は紙QSL待ち

6月末時点で99でリーチがかかっていたのですが、7/1にようやく100エンティティを
達成しました!(最後のQSOは18MHzでEA6AJでした)
昔に比べてアマチュア無線のアクティビティが有る国が増えて、旧YUやOKなどの
国は独立でエンティティも増えましたから、DXCCの敷居は低くなったとは言え、
やはり100という数字を達成できたというのは、嬉しいものです。
もちろん現時点ではDXCC申請は出来ませんので、単なる自己満足に過ぎませんが、
DXコンテストもDXペディションも参加せずに、通常のQSOだけでのこの成果なので
それなりの価値があると思っています。

最後はWAS(アメリカの全50州)

こちらは、まだ途中段階です。現時点で42州、残り8州となっています。
青色はLoTWでCFM、白色は紙QSL待ち。黄色は聞こえたがQSOに至らず、
白色は全く聞いたことがない州です。

WASを始めるまでは全く知識がなかったのですが、一番難しいのが中西部に
位置する7エリアのワイオミング、これは意外でした。ネットで調べてみると、
自然が豊富で地形も険しく、人口が全州の中で一番少ないそうです。
あとの残りの州はいずれも東方面なので、東海岸がオープンしている時間帯を
狙って出れば、コンディション次第でQSOできると思います。

ただ、アメリカの局は日本の局と違い、転居してもコールサインの後に/を
つけないので、W1は東海岸だと思って呼んでみたらカリファルニアだった、
というケースがよくあります。これはGL番号(グリッドロケーター)で
ある程度見当がつきますが、正確に知りたい場合は、相手局のコールを
QRZ.comで検索して、QTHを知るのが手っ取り早い方法です。

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第23話:EXCELでログ管理

さて、話は変わりますが、私のログ管理方法について、ここらでちょこっと
ご紹介したいと思います。

皆さんは、QSOのログ管理はどのようにされていますか?
ラグチュー派の方なら昔ながらのハインダー(手書きの紙ログ)、
PCで記録されている方なら多分HAMLOG(パソコンログ)を
お使いのことと思います。

実は、私のログ管理は、すべてEXCELで行っています。
レイアウトはこんな感じです。
 

まず、QSOの最中は、手書きのメモ紙に記録しています。・・・①
これを、その日の終わりに、EXCELログにまとめて転記します。・・・②
EXCELへの記帳が済んだら、これを手前味噌のソフトでADIFファイルに変換して、
eQSLとLoTWにUploadします・・・③⑤⑥
同様に、手前味噌のソフトでCSVファイルに変換して、HAMLOGに
インポートファイルとして読み込ませ、紙のQSLカードに印刷します。・・・④⑦

・・・と、こんな具合です。
つまり、HAMLOGは、紙QSLを印刷するシーンでしか登場しません。
(HAMLOGを立ち上げてログを記録する作業工程は、一切ありません)


なぜこんな事をやっているかというと、①→②の作業が、HAMLOGより
EXCELを使う方が、サクっと出来てしまうからです。
一言でいうと、私には昔ながらの「アドカラー形式」で記帳できるタイプの
ログが、性に合っているのです。(自由度が高く、どの項目から始めても、
空白の項目があっても後から埋め合わせができる)

あと、私の場合は、昨年まで移動運用が中心でした。
HAMLOGだと、自局の運用地を記録するのに、Remarks1やRemarks2に特別な
キーワード符号をつけて、面倒な書き方になるのですが、EXCELであれば
「移動運用地」などの列を追加して管理するだけでOKです。

もちろん、紙QSLに印刷する際には、これらの移動運用地も印刷する必要が
あるのですが、HAMLOGへのインポートファイル(CSVファイル)に、これらの
追加情報をキーワード符号付きで出力させています。このため、いちいちキー
ワード符号を意識して記録する必要がありません。

さらに、EXCELへの記帳時には、AJAコードを入力すれば自動的にQTHが表示
されるマクロを自作して、入力の簡便化を図っています。この辺は、HAMLOG
の機能と同じ感覚です。(下図)

AJAコードを入力すると・・・
QTHが自動表示される

昨今、eQSLやLoTWへのUploadなどで、アマチュア無線のログファイルは
ADIF形式のファイルが事実上のスタンダードになりつつあります。
ADIFファイルは、可読で簡単なフォーマットですので、容易に自作が可能です。

次回、機会があれば、この辺の話も記事にしたいと思います。

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プロフィール

HN:
hezhi
性別:
男性
自己紹介:
無線と自然と夜空の星をこよなく愛するアナログおやじです。
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。

更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。

My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
  160m : remain SA, AF
  80m : remain AF (Cfm)
  80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
  mixed : 39/40
  160m : 14/
  80m : 28/
  40m : 38/
  30m : 37/
  20m : 36/
  17m : 38/
  15m : 37/
  12m : 36/
  10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
  mixed : 50/50
  160m : 7/
  80m : 30/
  40m : 47/48
  30m : 46/46
  20m : 49/49
  17m : 50/50
  15m : 50/50
  12m : 50/50
  10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
  mixed : 205/227
  160m : 13/14
  80m : 79/92
  40m : 138/156
  30m : 131/148
  20m : 123/142
  17m : 137/157
  15m : 146/165
  12m : 121/143
  10m : 138/157

P R

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