BJYの備忘録
千葉県東総でアマチュア無線を楽しんでいます。 UHFが好きで、主に九十九里エリアでお手軽移動運用中。 ※blogというより備忘録なので、日記になってません(笑)
カテゴリー「アマチュア無線 - アンテナ」の記事一覧
- 2022.07.22 第46話:7MHz用ツェップANTの製作(古典タイプ、50Ω直接給電) その2
- 2022.07.15 第45話:7MHz用ツェップANTの製作(古典タイプ、50Ω直接給電) その1
- 2022.07.12 第44話:ANTマスト折れる(2021.9 過去の記録)
- 2021.11.03 第38話:42m長ロングワイヤーのまとめ(運用編)
- 2021.08.21 第32話:ちょこっと1.2GのANT比較実験
第46話:7MHz用ツェップANTの製作(古典タイプ、50Ω直接給電) その2
2021.10.xx (過去の記録です)
製作編
<材料>
アンテナの材料はすべて一般のホームセンターで入手容易な物です。
・メインエレメント
ビニール線:VFF-1.25S 単線、長さ21mくらい
・ハシゴフィーダー(固定部)
ビニール線:VFF-1.25S(紅白) 平行2線、長さ8m
・ハシゴフィーダー(調整部)
園芸用アルミワイヤー:外径1.5mm、長さ5m
・メインエレメントとハシゴフィーダーを接続する部分
農業用のビニールハウスに使う留め金具の樹脂:1個・・・耐候性の樹脂
・ハシゴフィーダーのセパレータ
配線用モール:1m×2個・・・できれば耐候性のものが良い
・ハシゴフィーダーのセパレータを固定するもの
インシュロック:2袋(100個くらい)・・・できれば耐候性のものが良い
・メインエレメントをポールに固定するためのロープ
クレモナロープ:適量
全体の外形図(クリックで拡大)
<作り方>
(1)メインエレメントのビニール線(単線)を切り出します。
私の場合は設計周波数を7.100MHzとして、λ/2 × 0.96(短縮率) = 20.27mとしました。
他の周波数にする場合は再計算してください。
(2)ハシゴフィーダーのセパレータ(配線モール)を、必要な個数分カットします。
配線モールは、上下がセットの状態で売っていますが、下の方だけを使用します。
両面テープが貼ってある場合は剥がしてください。
これを、35mmの短冊にして40個分カットします。
個々の短冊は、間隔27mmで2か所の穴を開けます。穴径は3.5mm。
(3)ハシゴフィーダー(固定部)のビニール線(平行2線)を8mの長さに切り出します。
ビニール線に、25cmの間隔で、黒の油性マジックで印を付けます。
(2線とも印をつけてください)これがセパレータの間隔になります。
マジックで印をつけた後は、平行ビニール線を2つに裂き、穴開け済みの短冊モールを、
各々のビニール単線に入れていきます。
短冊モールは、落下防止の為、下になる方をインシュロックで固定します。
(4)ハシゴフィーダー(調整部)のアルミワイヤーを、2.5mの長さで2本切り出します。
これも(3)と同様に油性マジックで印を付けて、穴開け済みの短冊モールを、
各々のワイヤーに入れていきます。
短冊モールは、落下防止の為、下になる方をインシュロックで固定します。
(5)2本のハシゴフィーダー、固定部(ビニール線)と、調整部(アルミワイヤー)を、
圧着端子などで電気的に接続します。
(6)最後に、メインエレメントと、ハシゴフィーダーの片方(赤線)を接続します。
各々のビニール線を樹脂に固定した後、圧着端子などで接続します。
なお、ハシゴフィーダーは、必ず赤線の方に接続してください。
(7)メインエレメントの先端に、クレモナロープを取り付けます。
なお、(2)(3)の手順は、「第26話:ロングワイヤーからG5RV・・・」の
記事の中で、具体的に図示してありますので、こちらを参考にされてください。
赤白のビニール線を圧着端子でアルミワイヤーに接続
赤側のワイヤーを同軸ケーブルの芯線に接続します
<アンテナの仮設置>
ハシゴフィーダーの長さが約10mなので、10mの高さに仮設置します。
使用するポールは、グラスファイバー製が理想ですが、金属性のポールを使う場合は
なるべくハシゴフィーダーをポールから浮かせるように離すように工夫が必要です。
私の場合は、アルミ伸縮ポールと破損したグラスファイバーポールを使って、
8m高さの設置高しか稼げませんでしたが、これでも実用になりました。
メインエレメントもなるべく高く、クレモナロープを立ち木などに固定します。
私の場合はメインエレメントの先端は5m高さでした。
ハシゴフィーダーの上部。画像ではわかりにくいが、ビニール線の赤線側が
メインエレメントに接続されている。
この部分はポールが非金属性なのでフィーダーをポールに密着させている。
ハシゴフィーダーの下部。この部分はポールが金属製なのでフィーダーをポールから
離してある。
<調整用冶具>
50cm程度の短い同軸ケーブルを用意して、片側にM型コネクタ(オス)を半田付け、
片側を芯線と被覆線に分けて調整用のワニグチクリップを半田付けします。
これを、アンテナアナライザーの先端に取り付けます。

調整用冶具(クリックで拡大)
<調整手順>
(1)まず、ハシゴフィーダーの一番下(2線のアルミワイヤーの先端)を、電気的に
短絡します。(動作的にはλ/4ショートスタブとして機能します)
短絡の方法は何でもOKですが、調整のためその都度カットしますので、手で撚る
だけでも良いでしょう。
(2)アンテナアナライザーに取り付けた同軸ケーブル先端のワニグチクリップの
芯線側を(ビニール線赤線側)のアルミワイヤーに、被覆線側を(ビニール線白線側)の
アルミヤイヤーに仮止めします。
最初は仮止めする位置をアルミワイヤの末端から1mくらいの所にしておき、
まずこの状態でSWRが下がる中心周波数が7MHz帯のどのあたりなのかを調べます。
※SWRが高いのは気にせずに、とにかくSWRがディップする所を探します。
(3)中心周波数が目的とする周波数(7.100MHz)より低い場合は、ワニグチクリップの
位置をAの方向にスライドさせ、目的とする周波数(7.100MHz)より高い場合は、
ワニグチクリップの位置をBの方向にスライドさせます。これを繰り返し行い、
目的とする周波数(7.100MHz)付近でSWRがディップするようにします。
※SWRが高いのは気にしなくてOKです。
(4)次はSWRが低くなるように、アルミワイヤ先端を数cm単位でカットして行きます。
※ワニグチクリップの位置はそのままです。ワニグチクリップから下のワイヤーだけを
カットします。2線とも同じ長さでカットします。
(カットした後は、必ず2線の先端を撚って短絡してください)
カットしたらSWRが逆に上がってしまった場合は、アルミワイヤを継ぎ足します。
SWRが1.5以内になったら、さらに1cm単位でカット&トライして、SWRが最低に
なるように追い込んでいきます。
最後に、撚った状態のアルミワイヤー2線を圧着端子で正式に短絡します。
(5)アルミワイヤーのワニグチクリップを仮止めした位置に、正式運用の同軸
ケーブルを圧着端子などで接続します。
(1)アルミワイヤー先端を短絡
(2)アルミワイヤーにワニグチクリップを仮接続
ハシゴフィーダーの調整要領。まずワニグチクリップの位置を上下にスライドして
中心周波数を調整する。次にショートスタブの長さを加減してSWRを下げる。
SWRの傾向は上図のようになる。ワニグチクリップの位置が大体決まったら、次に
ショートスタブの長さをカットして行くと、中心周波数は変わらずに、SWRだけが
段々下がっていく。(最初のフィーダー長が長い場合)
最初のフィーダー長が短い場合は、逆にショートスタブを継ぎ足して長くすると
SWRが下がる。
このように調整した結果、私の場合は、最終的にハシゴフィーダーの全長は9.99m、
ワニグチクリップの位置(ショートスタブ位置)は、アルミワイヤー末端から40cmの
所になりました。
また、目的の周波数付近 (7.100MHz)でSWRは1.1になりました。
「同軸ケーブル直接給電方式」のツェップANTが実証できたのです!
最終的な調整位置。ここでSWR=1.1になった!
7.084MHz SWR=1.1
7.054MHz SWR=1.5
7.125MHz SWR=1.5
次回はいよいよこのアンテナの「運用編」です。
まだまだ記事は続きます・・・
製作編
<材料>
アンテナの材料はすべて一般のホームセンターで入手容易な物です。
・メインエレメント
ビニール線:VFF-1.25S 単線、長さ21mくらい
・ハシゴフィーダー(固定部)
ビニール線:VFF-1.25S(紅白) 平行2線、長さ8m
・ハシゴフィーダー(調整部)
園芸用アルミワイヤー:外径1.5mm、長さ5m
・メインエレメントとハシゴフィーダーを接続する部分
農業用のビニールハウスに使う留め金具の樹脂:1個・・・耐候性の樹脂
・ハシゴフィーダーのセパレータ
配線用モール:1m×2個・・・できれば耐候性のものが良い
・ハシゴフィーダーのセパレータを固定するもの
インシュロック:2袋(100個くらい)・・・できれば耐候性のものが良い
・メインエレメントをポールに固定するためのロープ
クレモナロープ:適量
全体の外形図(クリックで拡大)
<作り方>
(1)メインエレメントのビニール線(単線)を切り出します。
私の場合は設計周波数を7.100MHzとして、λ/2 × 0.96(短縮率) = 20.27mとしました。
他の周波数にする場合は再計算してください。
(2)ハシゴフィーダーのセパレータ(配線モール)を、必要な個数分カットします。
配線モールは、上下がセットの状態で売っていますが、下の方だけを使用します。
両面テープが貼ってある場合は剥がしてください。
これを、35mmの短冊にして40個分カットします。
個々の短冊は、間隔27mmで2か所の穴を開けます。穴径は3.5mm。
(3)ハシゴフィーダー(固定部)のビニール線(平行2線)を8mの長さに切り出します。
ビニール線に、25cmの間隔で、黒の油性マジックで印を付けます。
(2線とも印をつけてください)これがセパレータの間隔になります。
マジックで印をつけた後は、平行ビニール線を2つに裂き、穴開け済みの短冊モールを、
各々のビニール単線に入れていきます。
短冊モールは、落下防止の為、下になる方をインシュロックで固定します。
(4)ハシゴフィーダー(調整部)のアルミワイヤーを、2.5mの長さで2本切り出します。
これも(3)と同様に油性マジックで印を付けて、穴開け済みの短冊モールを、
各々のワイヤーに入れていきます。
短冊モールは、落下防止の為、下になる方をインシュロックで固定します。
(5)2本のハシゴフィーダー、固定部(ビニール線)と、調整部(アルミワイヤー)を、
圧着端子などで電気的に接続します。
(6)最後に、メインエレメントと、ハシゴフィーダーの片方(赤線)を接続します。
各々のビニール線を樹脂に固定した後、圧着端子などで接続します。
なお、ハシゴフィーダーは、必ず赤線の方に接続してください。
(7)メインエレメントの先端に、クレモナロープを取り付けます。
なお、(2)(3)の手順は、「第26話:ロングワイヤーからG5RV・・・」の
記事の中で、具体的に図示してありますので、こちらを参考にされてください。
赤白のビニール線を圧着端子でアルミワイヤーに接続
赤側のワイヤーを同軸ケーブルの芯線に接続します
<アンテナの仮設置>
ハシゴフィーダーの長さが約10mなので、10mの高さに仮設置します。
使用するポールは、グラスファイバー製が理想ですが、金属性のポールを使う場合は
なるべくハシゴフィーダーをポールから浮かせるように離すように工夫が必要です。
私の場合は、アルミ伸縮ポールと破損したグラスファイバーポールを使って、
8m高さの設置高しか稼げませんでしたが、これでも実用になりました。
メインエレメントもなるべく高く、クレモナロープを立ち木などに固定します。
私の場合はメインエレメントの先端は5m高さでした。
ハシゴフィーダーの上部。画像ではわかりにくいが、ビニール線の赤線側が
メインエレメントに接続されている。
この部分はポールが非金属性なのでフィーダーをポールに密着させている。
ハシゴフィーダーの下部。この部分はポールが金属製なのでフィーダーをポールから
離してある。
<調整用冶具>
50cm程度の短い同軸ケーブルを用意して、片側にM型コネクタ(オス)を半田付け、
片側を芯線と被覆線に分けて調整用のワニグチクリップを半田付けします。
これを、アンテナアナライザーの先端に取り付けます。
調整用冶具(クリックで拡大)
<調整手順>
(1)まず、ハシゴフィーダーの一番下(2線のアルミワイヤーの先端)を、電気的に
短絡します。(動作的にはλ/4ショートスタブとして機能します)
短絡の方法は何でもOKですが、調整のためその都度カットしますので、手で撚る
だけでも良いでしょう。
(2)アンテナアナライザーに取り付けた同軸ケーブル先端のワニグチクリップの
芯線側を(ビニール線赤線側)のアルミワイヤーに、被覆線側を(ビニール線白線側)の
アルミヤイヤーに仮止めします。
最初は仮止めする位置をアルミワイヤの末端から1mくらいの所にしておき、
まずこの状態でSWRが下がる中心周波数が7MHz帯のどのあたりなのかを調べます。
※SWRが高いのは気にせずに、とにかくSWRがディップする所を探します。
(3)中心周波数が目的とする周波数(7.100MHz)より低い場合は、ワニグチクリップの
位置をAの方向にスライドさせ、目的とする周波数(7.100MHz)より高い場合は、
ワニグチクリップの位置をBの方向にスライドさせます。これを繰り返し行い、
目的とする周波数(7.100MHz)付近でSWRがディップするようにします。
※SWRが高いのは気にしなくてOKです。
(4)次はSWRが低くなるように、アルミワイヤ先端を数cm単位でカットして行きます。
※ワニグチクリップの位置はそのままです。ワニグチクリップから下のワイヤーだけを
カットします。2線とも同じ長さでカットします。
(カットした後は、必ず2線の先端を撚って短絡してください)
カットしたらSWRが逆に上がってしまった場合は、アルミワイヤを継ぎ足します。
SWRが1.5以内になったら、さらに1cm単位でカット&トライして、SWRが最低に
なるように追い込んでいきます。
最後に、撚った状態のアルミワイヤー2線を圧着端子で正式に短絡します。
(5)アルミワイヤーのワニグチクリップを仮止めした位置に、正式運用の同軸
ケーブルを圧着端子などで接続します。
(1)アルミワイヤー先端を短絡
(2)アルミワイヤーにワニグチクリップを仮接続
ハシゴフィーダーの調整要領。まずワニグチクリップの位置を上下にスライドして
中心周波数を調整する。次にショートスタブの長さを加減してSWRを下げる。
SWRの傾向は上図のようになる。ワニグチクリップの位置が大体決まったら、次に
ショートスタブの長さをカットして行くと、中心周波数は変わらずに、SWRだけが
段々下がっていく。(最初のフィーダー長が長い場合)
最初のフィーダー長が短い場合は、逆にショートスタブを継ぎ足して長くすると
SWRが下がる。
このように調整した結果、私の場合は、最終的にハシゴフィーダーの全長は9.99m、
ワニグチクリップの位置(ショートスタブ位置)は、アルミワイヤー末端から40cmの
所になりました。
また、目的の周波数付近 (7.100MHz)でSWRは1.1になりました。
「同軸ケーブル直接給電方式」のツェップANTが実証できたのです!
最終的な調整位置。ここでSWR=1.1になった!
7.084MHz SWR=1.1
7.054MHz SWR=1.5
7.125MHz SWR=1.5
次回はいよいよこのアンテナの「運用編」です。
まだまだ記事は続きます・・・
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第45話:7MHz用ツェップANTの製作(古典タイプ、50Ω直接給電) その1
※2021.10.xx(過去の記録です)
製作のきっかけ
前回、台風でANTマストが折れてしまったお話しをしました。
そこで、ロングワイヤーANTは解体して、手持ちの材料で何か簡単に作れそうな
アンテナはないものだろうかと、本を読んで物色していました。
あれこれ考えずに咄嗟であれば、過去に何本も作ったダイポールで即決ですが、
同じANTを繰り返し作ってみても面白くありません。
色々見ているうちに、そういえばツエップANTはまだ一度も作ったことがないなぁ
と思い始め、このANTについて調べることにしました。
ツェップANT=正式にはツェッペリンANTと言い、昔ドイツの飛行船ツェッペリン号に
使われたANTに由来しています。
ダイポールがワイヤーの中央から給電するのに対して、ツェップではワイヤーの
片方の端から給電するため、ANTの支柱がダイポールより少なくて済む反面、
ツエップでは給電点が電圧給電(高インピーダンス)になるため、そのままでは
同軸ケーブルに接続することができず、平行フィーダー(ハシゴフィーダー)を
給電線に用いて、インピーダンス整合してから同軸ケーブルに接続する必要が
あります。
大昔、同軸ケーブルが高価だった時代のアマチュアは、ハシゴフィーダーを自作して
ツェップANTは盛んに使われました。しかし現代ではハシゴフィーダーの製作が
面倒がられ、これが理由でツエップANTを自作する人は多くありません。
一方で、ワイヤーの端にハシゴフィーダーの代わりに”整合回路”を入れて、直に
同軸ケーブルで給電するタイプのANTがメーカーから多く発売されて、今では
こちらの方が圧倒的多数になってしまいました。
ちなみに、このタイプのANTは”ツェップ”とは呼ばず、”ツェップライク”と呼んで
古典的な”ツェップ”ANTと区別しています。
ちなみに、古典的な”ツェップ”ANTでも、同軸ケーブルとの接続部分に整合回路が
入ることに変わりはないのですが、ツェップライクANTの場合はマッチング部分が
ANTと同じ高さにあるため、一旦上げてしまってからの調整は困難であるといえます。
ツェップは、手元に近い高さで調整が行えるのでこの点は有利です。
さて、今回は古典的な”ツェップ”にすることに決めたのですが、製作のネックとなる
(1)ハシゴフィーダーをどうするか、(2)整合回路をどうするか、の2点について
お話ししたいと思います。
(1)ハシゴフィーダーについて
”ツェップ”のこれまでの製作記事を見ると、フィーダーは300Ω~600Ωと幅があり、
一昔前はTVの300Ωフィーダーを利用した製作例が多かったようですが、今では
一般的ではありませんので、G5RV-ANTでも使われている450Ωとして自作します。
ハシゴフィーダーの自作については、昨年のG5RV-ANTやZA6BKW-ANTの記事で
ご紹介したとおり、フィーダーに使うワイヤー径と2線間の間隔さえ間違えなければ、
必ず成功しますので大丈夫です。
(2)整合回路について
アンテナ教本に載っている”ツェップ”の整合回路は殆ど同じで、ハシゴフィーダーを
λ/4の長さにする場合、下図に示す直列同調回路になります。
この3つのVCは、調整が済んでしまえば固定コンデンサに置き換えて良いのですが、
100W運用する為には耐電圧の大きい物でなければならず、手持ちの部品が有りません。
それに、コイルも含めて調整が大変そうで、とても”お手軽”には出来ません。
あれこれ悩んでいたところ、とあるVHF用のANT製作記事が目に止まりました。
”J型ANT”
今まで名前だけは知っていたものの、簡単な構造で比較的良く飛ぶ、程度の知識で、
特に気にせず素通りしていたANT。
実はこの”J型”ANTこそが、ツェップANTの別の姿だったことを初めて知りました。
下図をご覧ください。
1λ(λ/2×2)のワイヤーの、A-B間の中点(λ/4の位置)に交流(RF)を挿入します。
A-Bを折り曲げると、平行フィーダー(ハシゴフィーダー)になります。この部分は
電流の位相が互いに逆のため、電波は殆ど発射されません。(給電線となる)
残りのB-Cのワイヤが、アンテナとして動作します。これが”ツェップ”ANTです。
この、B-Cのワイヤを縦にすると・・・何と、”J型”ANTになります。
そして、実際のJ型ANTの製作では、LCを用いた特別な整合回路は使っていません。
同軸ケーブルの給電ポイントをスライドして、50Ωに整合させています!
ツェップとJ型、HFとVHFの違いはあるにせよ、動作原理が同じなのだから、
ツェップでも、この”同軸ケーブル直接給電”方式が出来るはず!
と期待が膨らみます。
ツェップアンテナの原理(出典:ワイヤーアンテナハンドブック)
J型アンテナの製作記事(出典:ワイヤーアンテナハンドブック)
この図ではTVフィーダーで給電しているが、同軸ケーブルで給電している記事も存在する
J型ANTの製作例を参考にした”同軸ケーブル直接給電”。果たして成功するかどうか
ー記事は続きますー 次回乞うご期待
製作のきっかけ
前回、台風でANTマストが折れてしまったお話しをしました。
そこで、ロングワイヤーANTは解体して、手持ちの材料で何か簡単に作れそうな
アンテナはないものだろうかと、本を読んで物色していました。
あれこれ考えずに咄嗟であれば、過去に何本も作ったダイポールで即決ですが、
同じANTを繰り返し作ってみても面白くありません。
色々見ているうちに、そういえばツエップANTはまだ一度も作ったことがないなぁ
と思い始め、このANTについて調べることにしました。
ツェップANT=正式にはツェッペリンANTと言い、昔ドイツの飛行船ツェッペリン号に
使われたANTに由来しています。
ダイポールがワイヤーの中央から給電するのに対して、ツェップではワイヤーの
片方の端から給電するため、ANTの支柱がダイポールより少なくて済む反面、
ツエップでは給電点が電圧給電(高インピーダンス)になるため、そのままでは
同軸ケーブルに接続することができず、平行フィーダー(ハシゴフィーダー)を
給電線に用いて、インピーダンス整合してから同軸ケーブルに接続する必要が
あります。
大昔、同軸ケーブルが高価だった時代のアマチュアは、ハシゴフィーダーを自作して
ツェップANTは盛んに使われました。しかし現代ではハシゴフィーダーの製作が
面倒がられ、これが理由でツエップANTを自作する人は多くありません。
一方で、ワイヤーの端にハシゴフィーダーの代わりに”整合回路”を入れて、直に
同軸ケーブルで給電するタイプのANTがメーカーから多く発売されて、今では
こちらの方が圧倒的多数になってしまいました。
ちなみに、このタイプのANTは”ツェップ”とは呼ばず、”ツェップライク”と呼んで
古典的な”ツェップ”ANTと区別しています。
ちなみに、古典的な”ツェップ”ANTでも、同軸ケーブルとの接続部分に整合回路が
入ることに変わりはないのですが、ツェップライクANTの場合はマッチング部分が
ANTと同じ高さにあるため、一旦上げてしまってからの調整は困難であるといえます。
ツェップは、手元に近い高さで調整が行えるのでこの点は有利です。
さて、今回は古典的な”ツェップ”にすることに決めたのですが、製作のネックとなる
(1)ハシゴフィーダーをどうするか、(2)整合回路をどうするか、の2点について
お話ししたいと思います。
(1)ハシゴフィーダーについて
”ツェップ”のこれまでの製作記事を見ると、フィーダーは300Ω~600Ωと幅があり、
一昔前はTVの300Ωフィーダーを利用した製作例が多かったようですが、今では
一般的ではありませんので、G5RV-ANTでも使われている450Ωとして自作します。
ハシゴフィーダーの自作については、昨年のG5RV-ANTやZA6BKW-ANTの記事で
ご紹介したとおり、フィーダーに使うワイヤー径と2線間の間隔さえ間違えなければ、
必ず成功しますので大丈夫です。
(2)整合回路について
アンテナ教本に載っている”ツェップ”の整合回路は殆ど同じで、ハシゴフィーダーを
λ/4の長さにする場合、下図に示す直列同調回路になります。
この3つのVCは、調整が済んでしまえば固定コンデンサに置き換えて良いのですが、
100W運用する為には耐電圧の大きい物でなければならず、手持ちの部品が有りません。
それに、コイルも含めて調整が大変そうで、とても”お手軽”には出来ません。
あれこれ悩んでいたところ、とあるVHF用のANT製作記事が目に止まりました。
”J型ANT”
今まで名前だけは知っていたものの、簡単な構造で比較的良く飛ぶ、程度の知識で、
特に気にせず素通りしていたANT。
実はこの”J型”ANTこそが、ツェップANTの別の姿だったことを初めて知りました。
下図をご覧ください。
1λ(λ/2×2)のワイヤーの、A-B間の中点(λ/4の位置)に交流(RF)を挿入します。
A-Bを折り曲げると、平行フィーダー(ハシゴフィーダー)になります。この部分は
電流の位相が互いに逆のため、電波は殆ど発射されません。(給電線となる)
残りのB-Cのワイヤが、アンテナとして動作します。これが”ツェップ”ANTです。
この、B-Cのワイヤを縦にすると・・・何と、”J型”ANTになります。
そして、実際のJ型ANTの製作では、LCを用いた特別な整合回路は使っていません。
同軸ケーブルの給電ポイントをスライドして、50Ωに整合させています!
ツェップとJ型、HFとVHFの違いはあるにせよ、動作原理が同じなのだから、
ツェップでも、この”同軸ケーブル直接給電”方式が出来るはず!
と期待が膨らみます。
ツェップアンテナの原理(出典:ワイヤーアンテナハンドブック)
J型アンテナの製作記事(出典:ワイヤーアンテナハンドブック)
この図ではTVフィーダーで給電しているが、同軸ケーブルで給電している記事も存在する
J型ANTの製作例を参考にした”同軸ケーブル直接給電”。果たして成功するかどうか
ー記事は続きますー 次回乞うご期待
第44話:ANTマスト折れる(2021.9 過去の記録)
久しぶりの記事になります!
ここ数ヶ月、筆不精になってしまい、blogをサボってしまいました。申し訳ありません。
しばらくは過去の記録の記事ばかりになってしまいますが、ご了承ください。
2021年9月の事
その時は大した台風でもなかったのですが、42mのロングワイヤーANTのマストにしていた
グラスファイバー製のポールが、強風に煽られて”ポキ”っと折れてしまいました。
このマストは、割と古くから移動用として市販されていた長さ10mの伸縮ポールで、先端は
径が細いので私は8m分だけを利用していました。
1年以上の間、上げたままの状態でしたので、かなり風化していたと思います。
折れた部分は、私の予想に反して、ワイヤのテンションがかかる先端の方ではなくて、
途中(5mくらいの)、しかもポールの接続部分ではない所でした。
ちょっと意外な結果に驚いています。
縦方向に亀裂が入っているので、おそらくここから破損が広がったと思われますが、
であれば、竹が折れる時のように繊維を残してぐにゃっと曲がるような折れ方を予想して
いたのですが、この時は”むしり取る”ような感じで見事に割れてしまいました。
やはり、グラスファイバー製のポールは、上げっぱなしはダメと再認識したと同時に、
破損した場合の一例として、今後の参考にしたいと思います。
ここ数ヶ月、筆不精になってしまい、blogをサボってしまいました。申し訳ありません。
しばらくは過去の記録の記事ばかりになってしまいますが、ご了承ください。
2021年9月の事
その時は大した台風でもなかったのですが、42mのロングワイヤーANTのマストにしていた
グラスファイバー製のポールが、強風に煽られて”ポキ”っと折れてしまいました。
このマストは、割と古くから移動用として市販されていた長さ10mの伸縮ポールで、先端は
径が細いので私は8m分だけを利用していました。
1年以上の間、上げたままの状態でしたので、かなり風化していたと思います。
折れた部分は、私の予想に反して、ワイヤのテンションがかかる先端の方ではなくて、
途中(5mくらいの)、しかもポールの接続部分ではない所でした。
ちょっと意外な結果に驚いています。
縦方向に亀裂が入っているので、おそらくここから破損が広がったと思われますが、
であれば、竹が折れる時のように繊維を残してぐにゃっと曲がるような折れ方を予想して
いたのですが、この時は”むしり取る”ような感じで見事に割れてしまいました。
やはり、グラスファイバー製のポールは、上げっぱなしはダメと再認識したと同時に、
破損した場合の一例として、今後の参考にしたいと思います。
第38話:42m長ロングワイヤーのまとめ(運用編)
ANTマストが折れた!
第30話で、42m長のロングワイヤーANTを作ったことを記事にしました。
その後、暫くの間はこのANTで快調にHFの運用を楽しんでいたのですが、
9月終わりの台風の影響で、マストが途中から折れてしまいました(涙)
アルミパイプに、グラスファイバーの竿を継いだ、長さ11mのマストです。
竿自体はアンテナマストとして売られていた10m物ですが、先端は細い径で
強度的に不安があったので、8m分だけを使っていました。
折れたのは先端ではなく途中の継ぎ目で、縦にクラック(ヒビ)が入って、
裂ける様に折れてしまいました。あわてて再度その部分を補強して上げ直し
ましたが、すぐに同じ所から折れてしまいました。
ビニール線のエレメントがいくら軽量とはいえ、30mもの長さのワイヤーの
引っ張りテンションには勝てなかったようです。
42m長ロングワイヤーのまとめ
ANTマストなしではどうにもなりませんので、一旦ロングワイヤーは解体して、
この間の運用と成果について、ご報告することにしましょう。
<カウンターポイズの効果>
最初は、ローバンド用(35m)とハイバンド用(5~10mの2本)だけでしたが、途中で
思いつきで全周30mのループにしたものと、全周40mのループにしたものを追加で
付けてみました。
結果、どちらも多少の効果があったようで、30mバンドで北米からの応答率が
上がりました。具体的に言うと、今まで見えなかった局が-20dB前後でギリギリ
見えるようになり、QSO可能な局が増えた感じです。追加したカウンターポイズを
はずすと、元の聞こえ方に戻りましたので、カウンターポイズの効果であることを
確認できました。
<バンド別の使用感>
バンド別の使用感としては、長いだけあってローバンドが優勢でしたが、
その中でも1.8MHz(160m)と10MHz(30m)がよく働いてくれました。
14MHz以上のハイバンドはSWRは下がりますが、あまりパッとしません。
やはり1λ以上の高調波動作では、位相をそろえてやらないとDP以下の性能に
なってしまうようです。
3.5MHzと7MHzに関しては、国内には問題なく飛びましたが、DXに対しては
G5RV/ZS6BKWの方が良かったかな?という印象です。
1.8MHzと10MHzの具合が良いので、しばらくこの2バンドを中心に運用して
おりました。
<160mバンド>
前回の記事でも書きましたが、G5RV/ZS6BKWの時にはQSOできなかった
赤道越え、太平洋越えの局とQSOが可能になりました。
他にも米国本土の局が数局、聞こえましたがQSOには至らず。
国内ではSSBで300km~600km離れた局とラグチューが可能になりました。
<30mバンド>
これまで使ったANTの中ではダントツです。
ZS6BKWではこのバンドはSWRが無限大に近く、数ヵ月お休み状態でした。
そんなわけで、この2か月間、このバンドに腰を据えてみることにしました。
<30mバンドのプロパゲーション>
私はWARCバンドが開放されて以来、このバンドには縁がなく、殆ど運用した
ことがありませんでしたので、今回、毎日このバンドを運用する機会を得て、
初めてこのバンドの良さを感じるようになりました。
なお下記の記事内容はすべてFT8モードの話です。
まず、「10MHzは7MHzと14MHzを足して2で割ったようなバンドだ」と表現され
ますが、全くその通りだと感じます。
国内に対しては7MHz同様に日中が中心ですが、オープンしている時間が7MHzより
ずっと短いようです。
DXに対してはどちらかというと夜間中心ですが、北米~南米は昼過ぎから聞こえる
こともあり、いったん開けるといつまでもダラダラとオープンしている感じです。
昼前後の3~4時間を除けば、どこかのDXが開いているので、緊張感はありませんが
14MHzと並んで国際バンドといわれる理由が良くわかります。
夜間は、ヨーロッパを中心に開けますが、アジア中東から徐々に西に開ける場合と、
夕方に突然北欧方面が強力に開ける場合があります。後者の場合はスポット的に
開いているらしく、その周辺の限られた地域の国しか聞こえてきません。
また、夜の早い時間帯だと、まだ北米~南米が開けていることがあり、タイミングに
よっては1時間で六大陸とQSOできることがあります。
実際、私のようなpoorな設備でも、連日のように六大陸とQSOしていました。
連日WAC?アフリカは?という声が聞こえてきそうですが、南アフリカ(ZS)の局、
沢山います! ある夜CQを出したら、一度に2局のZSから呼ばれました。開局して
以来、初めての出来事でビックリしました。
30mバンドは、Phoneが無い地味なバンドのためか、落ち着いてQSOを楽しむDX'erが
多いと感じます。このバンドを好んで毎日出ている常連局も多いです。
ある晩、ZS局が3局CQを出していましたが、どの局もお声がかからず、退屈している
ように見えました。私は3局ともQSO済みだったので応答せずに自分でCQを出して
いたのですが、この中の1局(昨日QSOしたばかり)が私のCQに応答してきました。
FT8では1回限りのQSOが習慣なので、連日のQSOは珍しいのですが、この時ばかりは
先方も退屈していたようで、交信自体はレポート交換と73でしたが、雰囲気としては
「やあボーイ、今日もまた会ったね。そっちの調子はどうだい?こっちはさっぱりだよ」
みたいな挨拶でした。73を送ったあと、ZS局は納得したようにQRTしました。
またある日、コロンビア(HK)の局がCQを出していました。最初のうちはJA局にも
応答していたのですが、クラスターにでも載ったのか途端にJAのパイルアップになり、
HKの局は半分ウンザリ気味にCQBYに変えました。つまり中国指定のCQで、JA局は
呼ばないでくださいという意味です。しかしJAからの指定無視のパイルは治まらずに、
結局HK局は数回CQBYを出しただけでQRTしてしまいました。
この局に限らず、30mバンドが好きなDX局は、総じてパイルアップが好きではなく、
静かに自分のスタイルでDXを楽しみたいという傾向があるように思います。
JA局は”あわよくば”の指定無視の応答は止めて、紳士的に運用すべきです。
第30話で、42m長のロングワイヤーANTを作ったことを記事にしました。
その後、暫くの間はこのANTで快調にHFの運用を楽しんでいたのですが、
9月終わりの台風の影響で、マストが途中から折れてしまいました(涙)
アルミパイプに、グラスファイバーの竿を継いだ、長さ11mのマストです。
竿自体はアンテナマストとして売られていた10m物ですが、先端は細い径で
強度的に不安があったので、8m分だけを使っていました。
折れたのは先端ではなく途中の継ぎ目で、縦にクラック(ヒビ)が入って、
裂ける様に折れてしまいました。あわてて再度その部分を補強して上げ直し
ましたが、すぐに同じ所から折れてしまいました。
ビニール線のエレメントがいくら軽量とはいえ、30mもの長さのワイヤーの
引っ張りテンションには勝てなかったようです。
42m長ロングワイヤーのまとめ
ANTマストなしではどうにもなりませんので、一旦ロングワイヤーは解体して、
この間の運用と成果について、ご報告することにしましょう。
<カウンターポイズの効果>
最初は、ローバンド用(35m)とハイバンド用(5~10mの2本)だけでしたが、途中で
思いつきで全周30mのループにしたものと、全周40mのループにしたものを追加で
付けてみました。
結果、どちらも多少の効果があったようで、30mバンドで北米からの応答率が
上がりました。具体的に言うと、今まで見えなかった局が-20dB前後でギリギリ
見えるようになり、QSO可能な局が増えた感じです。追加したカウンターポイズを
はずすと、元の聞こえ方に戻りましたので、カウンターポイズの効果であることを
確認できました。
<バンド別の使用感>
バンド別の使用感としては、長いだけあってローバンドが優勢でしたが、
その中でも1.8MHz(160m)と10MHz(30m)がよく働いてくれました。
14MHz以上のハイバンドはSWRは下がりますが、あまりパッとしません。
やはり1λ以上の高調波動作では、位相をそろえてやらないとDP以下の性能に
なってしまうようです。
3.5MHzと7MHzに関しては、国内には問題なく飛びましたが、DXに対しては
G5RV/ZS6BKWの方が良かったかな?という印象です。
1.8MHzと10MHzの具合が良いので、しばらくこの2バンドを中心に運用して
おりました。
<160mバンド>
前回の記事でも書きましたが、G5RV/ZS6BKWの時にはQSOできなかった
赤道越え、太平洋越えの局とQSOが可能になりました。
他にも米国本土の局が数局、聞こえましたがQSOには至らず。
国内ではSSBで300km~600km離れた局とラグチューが可能になりました。
<30mバンド>
これまで使ったANTの中ではダントツです。
ZS6BKWではこのバンドはSWRが無限大に近く、数ヵ月お休み状態でした。
そんなわけで、この2か月間、このバンドに腰を据えてみることにしました。
<30mバンドのプロパゲーション>
私はWARCバンドが開放されて以来、このバンドには縁がなく、殆ど運用した
ことがありませんでしたので、今回、毎日このバンドを運用する機会を得て、
初めてこのバンドの良さを感じるようになりました。
なお下記の記事内容はすべてFT8モードの話です。
まず、「10MHzは7MHzと14MHzを足して2で割ったようなバンドだ」と表現され
ますが、全くその通りだと感じます。
国内に対しては7MHz同様に日中が中心ですが、オープンしている時間が7MHzより
ずっと短いようです。
DXに対してはどちらかというと夜間中心ですが、北米~南米は昼過ぎから聞こえる
こともあり、いったん開けるといつまでもダラダラとオープンしている感じです。
昼前後の3~4時間を除けば、どこかのDXが開いているので、緊張感はありませんが
14MHzと並んで国際バンドといわれる理由が良くわかります。
夜間は、ヨーロッパを中心に開けますが、アジア中東から徐々に西に開ける場合と、
夕方に突然北欧方面が強力に開ける場合があります。後者の場合はスポット的に
開いているらしく、その周辺の限られた地域の国しか聞こえてきません。
また、夜の早い時間帯だと、まだ北米~南米が開けていることがあり、タイミングに
よっては1時間で六大陸とQSOできることがあります。
実際、私のようなpoorな設備でも、連日のように六大陸とQSOしていました。
連日WAC?アフリカは?という声が聞こえてきそうですが、南アフリカ(ZS)の局、
沢山います! ある夜CQを出したら、一度に2局のZSから呼ばれました。開局して
以来、初めての出来事でビックリしました。
30mバンドは、Phoneが無い地味なバンドのためか、落ち着いてQSOを楽しむDX'erが
多いと感じます。このバンドを好んで毎日出ている常連局も多いです。
ある晩、ZS局が3局CQを出していましたが、どの局もお声がかからず、退屈している
ように見えました。私は3局ともQSO済みだったので応答せずに自分でCQを出して
いたのですが、この中の1局(昨日QSOしたばかり)が私のCQに応答してきました。
FT8では1回限りのQSOが習慣なので、連日のQSOは珍しいのですが、この時ばかりは
先方も退屈していたようで、交信自体はレポート交換と73でしたが、雰囲気としては
「やあボーイ、今日もまた会ったね。そっちの調子はどうだい?こっちはさっぱりだよ」
みたいな挨拶でした。73を送ったあと、ZS局は納得したようにQRTしました。
またある日、コロンビア(HK)の局がCQを出していました。最初のうちはJA局にも
応答していたのですが、クラスターにでも載ったのか途端にJAのパイルアップになり、
HKの局は半分ウンザリ気味にCQBYに変えました。つまり中国指定のCQで、JA局は
呼ばないでくださいという意味です。しかしJAからの指定無視のパイルは治まらずに、
結局HK局は数回CQBYを出しただけでQRTしてしまいました。
この局に限らず、30mバンドが好きなDX局は、総じてパイルアップが好きではなく、
静かに自分のスタイルでDXを楽しみたいという傾向があるように思います。
JA局は”あわよくば”の指定無視の応答は止めて、紳士的に運用すべきです。
第32話:ちょこっと1.2GのANT比較実験
今年のFDコンテストは、1200MHzで出てみようとANTの準備をしていたのですが、
あいにくの悪天候で移動することが叶いませんでしたので、コンテスト後の晴天の
日に、以前からやってみたかったANTの比較実験を行うことにしました。
↓①は移動メインで使っているクリエート社の18EL-Yagi (ブーム長約1m)
↓②は以前比較実験した某社の23EL-Loop (ブーム長約2m)
すでにメーカーは存在しません。
↓③は某局から拝借中の22EL-TwinLoop (ブーム長約1m)
とても丁寧に作られています。
テスト方法は、これらのANTに1.2GのRIG(IC-9700)を接続し、離れた場所に
設置した簡易SG(ノイズジェネレータ)から出される微弱電波を受信して、
RIGのSメータの読みで性能を比較しようというものです。
ANTの設置場所と高さは同じ条件で揃え、ANTマストには非金属のポールを用い、
簡易SGからのシグナルが最も強くなる方向(フロント)にANTを回し、その時の
RIGのSメータを読みます。
まず、①と②の比較は昨年すでに行いましたがデータが残っていませんので、
結果のみを記すと、②の方がブームが2倍も長いにもかかわらず、①の勝利でした。
そこで、今回は①と③の比較実験を行いました。

写真のANTの角度が違うように見えますが、実際には同じ方向を向いています。
ANTの前方20m離れた所の車の上に、↓の簡易SGが置いてあります。
簡易SGの高さとANTの高さはほぼ同じです。

結果は・・・
↓①
↓③
これだけの差が出ました。驚きです。
同じブーム長でも、③の方が見た目も豪華でいかにも飛びそうに見えるのですが、
今回の実験では18ELの勝ちとなりました。
メーカー公表値のフロントゲイン19dBiは本物だと実感しました。
あいにくの悪天候で移動することが叶いませんでしたので、コンテスト後の晴天の
日に、以前からやってみたかったANTの比較実験を行うことにしました。
↓①は移動メインで使っているクリエート社の18EL-Yagi (ブーム長約1m)
↓②は以前比較実験した某社の23EL-Loop (ブーム長約2m)
すでにメーカーは存在しません。
↓③は某局から拝借中の22EL-TwinLoop (ブーム長約1m)
とても丁寧に作られています。
テスト方法は、これらのANTに1.2GのRIG(IC-9700)を接続し、離れた場所に
設置した簡易SG(ノイズジェネレータ)から出される微弱電波を受信して、
RIGのSメータの読みで性能を比較しようというものです。
ANTの設置場所と高さは同じ条件で揃え、ANTマストには非金属のポールを用い、
簡易SGからのシグナルが最も強くなる方向(フロント)にANTを回し、その時の
RIGのSメータを読みます。
まず、①と②の比較は昨年すでに行いましたがデータが残っていませんので、
結果のみを記すと、②の方がブームが2倍も長いにもかかわらず、①の勝利でした。
そこで、今回は①と③の比較実験を行いました。
写真のANTの角度が違うように見えますが、実際には同じ方向を向いています。
ANTの前方20m離れた所の車の上に、↓の簡易SGが置いてあります。
簡易SGの高さとANTの高さはほぼ同じです。
結果は・・・
↓①
↓③
これだけの差が出ました。驚きです。
同じブーム長でも、③の方が見た目も豪華でいかにも飛びそうに見えるのですが、
今回の実験では18ELの勝ちとなりました。
メーカー公表値のフロントゲイン19dBiは本物だと実感しました。
プロフィール
HN:
hezhi
性別:
男性
自己紹介:
無線と自然と夜空の星をこよなく愛するアナログおやじです。
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。
更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。
My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
160m : remain SA, AF
80m : remain AF (Cfm)
80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
mixed : 39/40
160m : 14/
80m : 28/
40m : 38/
30m : 37/
20m : 36/
17m : 38/
15m : 37/
12m : 36/
10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
mixed : 50/50
160m : 7/
80m : 30/
40m : 47/48
30m : 46/46
20m : 49/49
17m : 50/50
15m : 50/50
12m : 50/50
10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
mixed : 205/227
160m : 13/14
80m : 79/92
40m : 138/156
30m : 131/148
20m : 123/142
17m : 137/157
15m : 146/165
12m : 121/143
10m : 138/157
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。
更新記録(2023-1005)
・My HF DX statusを詳細化しました。
My HF DX status (2021-0101 to 2025-0413) (FT8)
WAC
160m : remain SA, AF
80m : remain AF (Cfm)
80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
mixed : 39/40
160m : 14/
80m : 28/
40m : 38/
30m : 37/
20m : 36/
17m : 38/
15m : 37/
12m : 36/
10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
mixed : 50/50
160m : 7/
80m : 30/
40m : 47/48
30m : 46/46
20m : 49/49
17m : 50/50
15m : 50/50
12m : 50/50
10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
mixed : 205/227
160m : 13/14
80m : 79/92
40m : 138/156
30m : 131/148
20m : 123/142
17m : 137/157
15m : 146/165
12m : 121/143
10m : 138/157
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