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BJYの備忘録

千葉県東総でアマチュア無線を楽しんでいます。 以前は九十九里エリアでお手軽移動運用がメインでした(UHF)。 コロナ禍以降は固定運用がメイン(HF)。 実家(東京八王子市)からも時々QRVしています。

カテゴリー「アマチュア無線 - アンテナ」の記事一覧

第12話:設置場所を変えてみたら・・・

今回は、アンテナの話題ではなく、アンテナの設置場所を変えてみたら
こうなったという話題です。

12月に入って朝晩の冷え込みも厳しくなり、UHFの移動運用は、暫くの間
お休みして、固定運用に切り替えることにしました。

しかし、自宅はUHFを楽しむには最悪のロケーション。
一番局数の多い関東方面が、竹林や樹木で遮られてしまっています。
平野部なので、UHFの反射に使えそうな山や高層ビルも周囲にありません。
こうなると、高いアンテナタワーを立てるしか方法がありませんが、、、
何とか現状の環境のままで、UHFを楽しむ方法はないものか?
あれこれ考えて、敷地内で、電波が飛びそうな場所のロケハン探しを
することにしました。


こんなロケーションでも、工夫次第で430は飛ぶ!

まず、現状使用のアンテナは、家のすぐ隣にある物置に伸縮ポールを
立てて、そこに15EL八木を上げてあります。
ここは、シャックまでの同軸ケーブルが最短で済むので(約8m)、
UHFには有利なはずなのですが、肝心なロケーションは、南西方面に
高さ15mの竹林が広がっていて、とても電波が飛びそうに見えません。
実際、君津市にある鹿野山レピータ(438.06)はRS41のカスカスの信号で、
やっとアクセスできるものの、とてもQSOできるレベルではありません。
当然、それよりも遠い鴨川市の嶺岡山レピータ(438.02)は影も形も
ありません。
デジタルモードのFT8であれば、何とか静岡までは飛んで行くのですが…

今回は、この場所をあきらめて、15EL八木と伸縮ポールを手に持って、
敷地内をグルグルと歩き回りました。
そして、敷地ギリギリの竹林の隅で、南西方向に僅かに開けている場所を
見つけて、ANTを仮設置して50Wで送信してみました。
すると、鹿野山レピータがRS55で入感!これなら行けるかもと、嶺岡山
レピータにもアクセスを試みると、弱いながらも音声デジピータから
自分のエコーが返ってきました。固定から始めてのアクセスです!

しかしこの場所、本当にピンポイントで、少しでも場所を移動すると
アクセスできなくなってしまいます。理由は、竹林は何とかかわして
いるものの、境界の樹木が邪魔をして、電波を遮っているからです。

あと心配だったのは、同軸ケーブルの長さ。今回は昨年中古で入手した
4.5mのルーフタワーに伸縮ポールをつけて、さらに庭の菜園の畑を
迂回するように引き回さなければならないので、最低でも30mは必要!
一応、こんな場合もあろうかと事前に10DSFAケーブルを35mゲットして
おいたので、ちょうど間に合いました。ANTから直下プリアンプまでの
ケーブル長も含めると、シャックまで約40mの長さになります。こんなに
長いケーブルで大丈夫か?UHFでは打撃的とも思えるロスですが・・・

とにかく、やってみるしかないと、10DSFAの両端にNコネクタをつけて
(久しぶりに太い同軸ケーブルの加工で指が痛くなりました Hi)
ANT直下のプリアンプからRIGまでは中継無しに10DSFAを直結しました。
今回は、ローテータも設置してあるので室内からANTを回せます。
ANTを南西方向に向け、恐る恐るRIGに灯を入れてみると・・・

やった!鹿野山レピータがRS59+でアクセスできる。音声デジピータから
返ってくる自分の音声もノイズ無しで文句なしの信号です。次に嶺岡山の
レピータも試すと、こちらもRS57で入感!多少QSBがあり、鹿野山より
少し南の方が良いみたいです。
このビームで、大多喜のレピータ(438.20)もRS59++。さすがに大多喜は強い。
これで、固定から千葉の3つの音声デジピータが全てアクセス出来るように
なりました。上々の成果です。

長い同軸ケーブルで減衰を心配していたのですが、懸念は払拭されました。
それよりも今まで聞こえなかった所が入感するようになった事が大きいです。
事実、デジタルモードのFT8でも、今までとは格段に違う世界になりました。
今までは、-2ケタの信号が多かったのですが、このシステムにしてからは、
+信号が増え、-でも1ケタの信号ばかりになりました。信号レポートとしては
+10db以上持ち上がった感じです。ANTを上げた当日に、9エリア福井県から
立て続けに2局呼ばれたのが印象的です。(今までは存在は知っていましたが
全く入感しませんでした)

当面、シングル八木で運用してみて、徐々にグレードアップを図りたいと
思います。どこまで聞こえるか、今後が楽しみです。


430のFT8が賑やかな世界になりました。以前は赤い信号(+db)はありませんでした

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第6話:ヘンテナとフォークヘンテナ

「ヘンテナ」という名前のアンテナをご存じでしょうか?
1970年代に、FCZ研究所のJH1FCZ局が所属する相模クラブで、一人の中学生ハム局の考案から
開発が始まったアンテナと聞いています。

その後、ネーミングの怪しさから一般誌にはあまり紹介されませんでしたが、50MHzを中心に
アクティブな若いハム局からは支持されて、現在に至っています。

メーカー市販品は現在ありませんが、単純な構造で自作も簡単に出来ますので、今回ここで
取り上げてみたいと思います。
あわせて、このアンテナの変形である「フォークヘンテナ」もご紹介します。


■ヘンテナ(基本形)

このアンテナの基本形は、次のような形をしています。


文献によると、最初は正方形のクワッドを上下2つにしたものを、SWRを下げるために
試行錯誤して変形したところ、この形に落ち着いたとのことです。

特徴的なのは、給電部のエレメントをスライドしてSWRを下げるやりかたです。
この方法がユニークなので、「変なアンテナ」→「ヘンテナ」という名称になったようです。

今では、このアンテナが、単体でDP比で数dbのゲインがあることが立証されています。
50MHzでは水平偏波で縦3mと、ちょっと大きめになりますが、スペース的に八木が上げる
のが難しいちょっとした移動などで重宝します。

給電点の同軸ケーブルとのマッチングは、1:1のバズーカーマッチが良く知られていますが、
私のズボラなやりかた(同軸ケーブルの直接給電)でも何ら問題なく使えます。

紹介記事などではしばしば横幅がλ/6と紹介されていますが、実際にはもう少し幅狭の0.147λで
設計すると、簡単に50ΩでSWRが下がります。


■フォークヘンテナ

ヘンテナの縦エレメントを下半分だけにしたユニークなアンテナで、フォークのような形を
していることからネーミングになったようです。

ループアンテナとしてのゲインは失われますが、それでもダイポールと同等のゲインがあり、
8の字指向性もなくなりますので、八方美人のようなアンテナだと言われています。

50MHzでは横1m、縦1.5mですので、3mのダイポールよりずっとコンパクトになります。


■ベントフォークアンテナ

最後にご紹介するのは、小さいフォークヘンテナをさらに折り曲げて最小の大きさにした、
究極のコンパクトアンテナです。


大きさは、50Mhzで横1m×縦1m、スクエアローよりもちょっとだけ大きいだけのサイズです。
が、実感はスクエアローに比べてDPに近いゲインがあります。
144や430では製作しても実用性はないと考えますが、50MHz以下のバンドではコンパクトな
サイズでメリットがあると思います。

アパマンハムだった頃、ベランダにモービルホイップとこのアンテナを並べて比較したことが
ありますが、その差は歴然でした。

欠点は、SWRの整合範囲が狭く、調整がクリチカルな事ですが、これだけ小さいアンテナ
ですから、やむを得ないのかも知れません。

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第5話:逆Lには指向性がある!? 逆L~そしてT型に

私は普段、HFローバンドの運用にはロングワイヤー、いわゆる逆Lを好んで使用しています。
何と言ってもお手軽で、適当な長さのワイヤーを張ってATUでチューニングを取れば、一瞬で
好きな周波数にでることができますので、移動向きのアンテナといえます。

このアンテナ、一般的なANTハンドブックなどではバーチカルと同様の無指向性と
書かれていますが、これまでに実際に使ってみた経験では明らかに指向性があると感じます。

以下は、これまでに使用した感想をまとめたものです。(長文で失礼します)


■最初は逆L
まず最初に張ったのが、3.5と7の共用で20m長の逆Lです。これは、垂直部が7m、
残りの水平部を南側に展開しましたが、7MHz(λ/2)はそれほど指向性を感じず、
国内では九州以外はまんべんなく飛んでいる感じでした。
しかし3.5MHz(λ/4)では飛び方に顕著に地域差がありました。

JA8方面はフルサイズのDPの局と同等の飛びで、相手局からもロングワイヤーとは
思えない信号とのコメントを多くいただきました。これに対して、JA3以西の局は
距離に比例して信号が弱くなる感じで、印象的だったのは広島県に移動中の局を
聞いた時、1エリアから多数CALLしてみな59のレポートを送っているのですが、
私には蚊の鳴くような信号しか聞こえなかったことです。またJA6方面はそもそも
信号自体が聞こえず、3.5MHzのアクティビティが無いものと思っておりました。

そんな折、ネットで逆L ANTの検索をしていましたら、何局かのblogで当方と同じような
経験をしている方の記事を見つけ、「横に展開したワイヤーの先端から給電点の方向に
向かって指向性が出る」ということで、今までの謎が全て納得してしまいました。

それからは、3.5MHzで何とか西方面にも飛ばすために、試行錯誤してみました。

■フルサイズDP
・・・さすがにフルサイズ。西方面の局も強力になり、指向性は感じなくなりましたが、
敷地の関係でこのANTを張ると他のバンドが出られなくなるので、1シーズンで降ろしました。

■1.9/3.5/7の3バンドトラップDP
(トラップは同軸ケーブルだけを使用 ※これは別の機会にご紹介します)
・・・3.5MHzは全長32mになり、80%の短縮率になりましたが、JA全国に均一に飛んでいる
様子で、ストレスは感じませんでした。7MHzはフルサイズで問題なし。唯一1.9MHzは
ワイヤ先端が近隣宅に接近していたせいもあると思いますが、常時S7~9のノイズで
全く使い物にならず、飛びもNGで、運用を断念しました。

■逆L(垂直部7m、水平部16m)
・・・DPの経験より、1.9MHzは水平系のANTでは給電点が低いと打ち上げ角が真上に
なってしまうと判断し、再び逆Lを貼り直し、前回より少し水平部を長くして全長23mと
しました。結果は1.9MHzが何とか運用できるレベルになり、JA6を除く全エリアとQSO
できました。ノイズもかなり軽減され、RST539の信号も受信可能になりました。しかし
指向性に関しては3.5とほぼ同様で、JA8とは599でQSOできますがJA4,5は弱く、改善の
必要性を迫られました。

■T型(垂直部7m、水平部32m)
・・・大昔のANT教科書に「T型」というのがあったのを思い出し、逆Lの水平エレメントを
反対側に伸ばしたのと同じ構造なので、もしかしたら指向性が改善されるかも?との
想いで、早速試してみました。結果、これが大成功!3.5MHz、1.9MHzともに地域差は
改善され、1.9MHzではJA6の移動局ともQSOできるようになりました。試しにKCJのTOP
BAND CONTESTに出てみたところ、AJDは勿論、QRP5Wの移動局とも多数QSOでき、
満足できる結果になりました。

ちなみに、私のANT展開は完全なT型にはなっておらず、上からみて南方向と
北西方向に水平エレメントを展開した「V型」になっておりますが、以前の南方向だけに
エレメントを展開していた頃に比べて、西方面の飛びが明らかに改善された印象です。
このANTは残念ながら今年の春一番の風で損壊してしまいましたが、また今秋に上げて
みたいと思っています。

なお、水平エレメントの先端は全て、釣り竿ロッド(地上高5.5m)に取り付けました。
逆L、T型のカウンターポイズは8m~10mのビニール線2本を適当に這わせたものです。
ATUはICOMのAH-3で、1.9MHzでも快適にチューニングが取れています。

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プロフィール

HN:
hezhi
性別:
男性
自己紹介:
無線と自然と夜空の星をこよなく愛するアナログおやじです。
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。

My HF DX status (2021-0101 to 2025-0918) (FT8)
WAC
  160m : remain SA, AF
  80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
  mixed : 39/40
  160m : 14/
  80m : 28/
  40m : 38/
  30m : 37/
  20m : 36/
  17m : 38/
  15m : 37/
  12m : 36/
  10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
  mixed : 50/50
  160m : 7/
  80m : 30/
  40m : 47/48
  30m : 46/46
  20m : 50/50
  17m : 50/50
  15m : 50/50
  12m : 50/50
  10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
  mixed : 209/235
  160m : 13/14
  80m : 85/96
  40m : 142/159
  30m : 134/156
  20m : 138/164
  17m : 138/159
  15m : 152/169
  12m : 124/147
  10m : 140/159

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