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BJYの備忘録

千葉県東総でアマチュア無線を楽しんでいます。 以前は九十九里エリアでお手軽移動運用がメインでした(UHF)。 コロナ禍以降は固定運用がメイン(HF)。 実家(東京八王子市)からも時々QRVしています。

第38話:42m長ロングワイヤーのまとめ(運用編)

ANTマストが折れた!

第30話で、42m長のロングワイヤーANTを作ったことを記事にしました。
その後、暫くの間はこのANTで快調にHFの運用を楽しんでいたのですが、
9月終わりの台風の影響で、マストが途中から折れてしまいました(涙)

アルミパイプに、グラスファイバーの竿を継いだ、長さ11mのマストです。
竿自体はアンテナマストとして売られていた10m物ですが、先端は細い径で
強度的に不安があったので、8m分だけを使っていました。

折れたのは先端ではなく途中の継ぎ目で、縦にクラック(ヒビ)が入って、
裂ける様に折れてしまいました。あわてて再度その部分を補強して上げ直し
ましたが、すぐに同じ所から折れてしまいました。
ビニール線のエレメントがいくら軽量とはいえ、30mもの長さのワイヤーの
引っ張りテンションには勝てなかったようです。

42m長ロングワイヤーのまとめ

ANTマストなしではどうにもなりませんので、一旦ロングワイヤーは解体して、
この間の運用と成果について、ご報告することにしましょう。

<カウンターポイズの効果>

最初は、ローバンド用(35m)とハイバンド用(5~10mの2本)だけでしたが、途中で
思いつきで全周30mのループにしたものと、全周40mのループにしたものを追加で
付けてみました。
結果、どちらも多少の効果があったようで、30mバンドで北米からの応答率が
上がりました。具体的に言うと、今まで見えなかった局が-20dB前後でギリギリ
見えるようになり、QSO可能な局が増えた感じです。追加したカウンターポイズを
はずすと、元の聞こえ方に戻りましたので、カウンターポイズの効果であることを
確認できました。

<バンド別の使用感>

バンド別の使用感としては、長いだけあってローバンドが優勢でしたが、
その中でも1.8MHz(160m)と10MHz(30m)がよく働いてくれました。
14MHz以上のハイバンドはSWRは下がりますが、あまりパッとしません。
やはり1λ以上の高調波動作では、位相をそろえてやらないとDP以下の性能に
なってしまうようです。
3.5MHzと7MHzに関しては、国内には問題なく飛びましたが、DXに対しては
G5RV/ZS6BKWの方が良かったかな?という印象です。
1.8MHzと10MHzの具合が良いので、しばらくこの2バンドを中心に運用して
おりました。

<160mバンド>

前回の記事でも書きましたが、G5RV/ZS6BKWの時にはQSOできなかった
赤道越え、太平洋越えの局とQSOが可能になりました。
他にも米国本土の局が数局、聞こえましたがQSOには至らず。
国内ではSSBで300km~600km離れた局とラグチューが可能になりました。

<30mバンド>

これまで使ったANTの中ではダントツです。
ZS6BKWではこのバンドはSWRが無限大に近く、数ヵ月お休み状態でした。
そんなわけで、この2か月間、このバンドに腰を据えてみることにしました。

<30mバンドのプロパゲーション>

私はWARCバンドが開放されて以来、このバンドには縁がなく、殆ど運用した
ことがありませんでしたので、今回、毎日このバンドを運用する機会を得て、
初めてこのバンドの良さを感じるようになりました。
なお下記の記事内容はすべてFT8モードの話です。

まず、「10MHzは7MHzと14MHzを足して2で割ったようなバンドだ」と表現され
ますが、全くその通りだと感じます。
国内に対しては7MHz同様に日中が中心ですが、オープンしている時間が7MHzより
ずっと短いようです。
DXに対してはどちらかというと夜間中心ですが、北米~南米は昼過ぎから聞こえる
こともあり、いったん開けるといつまでもダラダラとオープンしている感じです。
昼前後の3~4時間を除けば、どこかのDXが開いているので、緊張感はありませんが
14MHzと並んで国際バンドといわれる理由が良くわかります。

夜間は、ヨーロッパを中心に開けますが、アジア中東から徐々に西に開ける場合と、
夕方に突然北欧方面が強力に開ける場合があります。後者の場合はスポット的に
開いているらしく、その周辺の限られた地域の国しか聞こえてきません。
また、夜の早い時間帯だと、まだ北米~南米が開けていることがあり、タイミングに
よっては1時間で六大陸とQSOできることがあります。
実際、私のようなpoorな設備でも、連日のように六大陸とQSOしていました。
連日WAC?アフリカは?という声が聞こえてきそうですが、南アフリカ(ZS)の局、
沢山います! ある夜CQを出したら、一度に2局のZSから呼ばれました。開局して
以来、初めての出来事でビックリしました。

30mバンドは、Phoneが無い地味なバンドのためか、落ち着いてQSOを楽しむDX'erが
多いと感じます。このバンドを好んで毎日出ている常連局も多いです。
ある晩、ZS局が3局CQを出していましたが、どの局もお声がかからず、退屈している
ように見えました。私は3局ともQSO済みだったので応答せずに自分でCQを出して
いたのですが、この中の1局(昨日QSOしたばかり)が私のCQに応答してきました。
FT8では1回限りのQSOが習慣なので、連日のQSOは珍しいのですが、この時ばかりは
先方も退屈していたようで、交信自体はレポート交換と73でしたが、雰囲気としては
「やあボーイ、今日もまた会ったね。そっちの調子はどうだい?こっちはさっぱりだよ」
みたいな挨拶でした。73を送ったあと、ZS局は納得したようにQRTしました。

またある日、コロンビア(HK)の局がCQを出していました。最初のうちはJA局にも
応答していたのですが、クラスターにでも載ったのか途端にJAのパイルアップになり、
HKの局は半分ウンザリ気味にCQBYに変えました。つまり中国指定のCQで、JA局は
呼ばないでくださいという意味です。しかしJAからの指定無視のパイルは治まらずに、
結局HK局は数回CQBYを出しただけでQRTしてしまいました。
この局に限らず、30mバンドが好きなDX局は、総じてパイルアップが好きではなく、
静かに自分のスタイルでDXを楽しみたいという傾向があるように思います。
JA局は”あわよくば”の指定無視の応答は止めて、紳士的に運用すべきです。

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第32話:ちょこっと1.2GのANT比較実験

今年のFDコンテストは、1200MHzで出てみようとANTの準備をしていたのですが、
あいにくの悪天候で移動することが叶いませんでしたので、コンテスト後の晴天の
日に、以前からやってみたかったANTの比較実験を行うことにしました。

↓①は移動メインで使っているクリエート社の18EL-Yagi (ブーム長約1m)


↓②は以前比較実験した某社の23EL-Loop (ブーム長約2m)
すでにメーカーは存在しません。


↓③は某局から拝借中の22EL-TwinLoop (ブーム長約1m)
とても丁寧に作られています。


テスト方法は、これらのANTに1.2GのRIG(IC-9700)を接続し、離れた場所に
設置した簡易SG(ノイズジェネレータ)から出される微弱電波を受信して、
RIGのSメータの読みで性能を比較しようというものです。
ANTの設置場所と高さは同じ条件で揃え、ANTマストには非金属のポールを用い、
簡易SGからのシグナルが最も強くなる方向(フロント)にANTを回し、その時の
RIGのSメータを読みます。

まず、①と②の比較は昨年すでに行いましたがデータが残っていませんので、
結果のみを記すと、②の方がブームが2倍も長いにもかかわらず、①の勝利でした。

そこで、今回は①と③の比較実験を行いました。
 
写真のANTの角度が違うように見えますが、実際には同じ方向を向いています。
ANTの前方20m離れた所の車の上に、↓の簡易SGが置いてあります。
簡易SGの高さとANTの高さはほぼ同じです。

結果は・・・
↓①

↓③


これだけの差が出ました。驚きです。
同じブーム長でも、③の方が見た目も豪華でいかにも飛びそうに見えるのですが、
今回の実験では18ELの勝ちとなりました。

メーカー公表値のフロントゲイン19dBiは本物だと実感しました。

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第30話:ZS6BKWは小休止・・・ロングワイヤー2題

今年も夏本番の季節がやってきました。
が、8月に入って連日の猛暑・・・いやー参りました。気温35℃では外に出る気になれません。
おまけに、FDコンテストの日は、当地では台風の影響で雨風強く移動も出来ず。
仕方なく、固定でHFでのプチ参加となりました。

ということで、8月に入っても相変わらずHFの運用を続けているわけですが、
このところ、ウチのZS6BKWはハイバンドで一向に調子が上がらず、ローバンドでも
段々と限界が見えてくるようになりました。それは、
・3.5MHzでは、南米とはQSOできるが、ヨーロッパはかすりもしない!
・1.9MHzでは、国内QSOでも力不足を感じる(特にSSB)
今のところ、100Wでの運用なので、これを200WにQROすれば少しはジレンマが
解消するのかもしれませんが、それよりもANTで試してみたい事が沢山あります。
そんなわけで、今回、ZS6BKWは少しお休みさせて、他のANTの実験を行いました。


<実験1>ZS6BKW流用の1.8MHz用T型LW



これは、上の画像を見て頂ければ一目瞭然だと思います。

①は数年前に試したもので、7MHzのDPをそのまま一切手を加えずに、DPの
エレメント(片側10m)と給電ケーブル(10m)を一体化して、T型のLWと見立てた
ものです。アース側はλ/4のカウンターポイズとしています。
このANTは、こんな簡単な構造でも国内QSOには十分通用しました。

②は今回試したもので、①と同様にZS6BKWはそのまま一切手を加えずに、
ZS6BKWの横エレメント(片側14.25m)とラダーライン(12.1m)と給電ケーブル
(35m)を一体化して、T型のLWと見立てたものです。合計の長さがλ/4より
遥かに長いのですが、一応ANTカプラーの整合範囲内でしたのでOKとします。
アース側はλ/4のカウンターポイズとしています。

さて結果は、、、
・ノイズレベルが高い(常時S9+)→SSBではキツイ。FT8なら問題なし
・飛びの方も期待したほどには向上していない。
・SWRはANTカプラーの出口ですんなり下がるので、RIGへの負担は軽い。
となり、ZS6BKWに比べて良い点はSWRだけになってしまいました。
ちなみに同軸ケーブル終端の短絡をやめて元のZS6BKWの姿に戻すと、
ノイズレベルはS4に減り、S5のSSBの局もちゃんと聞きとれました。
やはり耳の良さは重要ですね。


<実験2>ZS6BKW流用の42m長逆L型LW



実験1の結果を踏まえて、ZS6BKWを丸ごと流用するのはボツにして、
ZS6BKWの片側のエレメントだけを延長して長いロングワイヤー(全長約42m)
としたものを実験してみました。ワイヤーの先端は地上高6mです。
全体のスタイルとしては、逆L型のロングワイヤーとなり、給電部のマッチングは
ATU(AH-3)を用い、アースは以前使っていたカウンターポイズに30mのワイヤーを
パラレルにして、低い周波数の効率を上げるようにしました。
この場合、ZS6BKWのもう片方のエレメントは不要になるので、未接続とします。

南東方向にワイヤを展開した理由は、過去の数々のロングワイヤーの実験結果から、
「波長に比べて低い高さに設置したλ/4の逆L型のLWは、ワイヤーの展開方向とは
逆の方向に指向性が出る」ことに由ります。つまり、今回の目論見は、1.8MHzや
3.5MHzでの北西方向の飛びを期待してのことです。

全体を42mにしたのは、3.5MHzのλ/2を意識したためです。
1.8MHzでλ/4以上、3.5MHzでλ/2、7MHzで1λ、ここまでが期待の範囲です。
10MHz以上のバンドは全く期待していませんでした。

あと、ロングワイヤーなどこの手の接地タイプのANTは、家電ノイズの影響を
受けやすいので、”おまじない”としてワイヤーの先端に直径15cmの小ループを
接続しました。(1.8MHzでのノイズ軽減対策用です)

さて、今度の結果はどうでしょうか、、、
ローバンド:
・1.8MHz・・・国内の西方面に対しては良好。北方面はやや弱くなった感じ。
 海外はASロシアとJD1とQSO。pskpeporterではVKにも-15dbで飛んでいる様子。
 心配していたノイズレベルはS6で、SSBでもQRK5でQSOできる。
・3.5MHz・・・サイド方向の南米方面は弱くなったので、一応ビームは効いている感じ。
 ヨーロッパはまだ期待したほどには入感していない。
・7MHz・・・北米にもヨーロッパにもZS6BKW並みには飛ぶ。指向性は感じない。
ミドルバンド:
・10MHz・・・ZS6BKWでは使用不可のバンドだったので比較はできないが、
 北米にもヨーロッパにもそれなりに飛んでいる。NEWエンティティが増えて7MHzと
 拮抗するようになった。
・14MHz・・・まだ試していない
・18MHz・・・なぜかヨーロッパに良く飛んでいる。すごいぞLW!
ハイバンド:
・21MHz・・・近隣の国はQSOに問題なし。
・24MHz・・・まだ試していない
・28MHz・・・近隣の国はQSOに問題なし。ZS6BKWより良い。

全体的な感想としては、期待したローバンドの感触はまだ何とも言えないですが、
全く期待していなかった10MHz以上で意外にも好成績となっています。
これからしばらく様子見をしてみようと思います。

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第28話:ZS6BKW ANT その後の経過

先の記事で、ZS6BKWというアンテナを製作、設置したことをご紹介しましたが、
このアンテナを使い始めてから1か月半が経過し、QSO数も800局を超えましたので、
その後の経過をご報告させて頂きます。なお、出力は100Wのままです。

各バンドの使用感

1.8MHz ・・・
このバンドはSWRが高く、RIG内蔵のAUTO TUNERでTUNE出来たり出来なかったり
といった不安定な状態なので、今はお休み中です。

3.5/7MHz ・・・
まずまずの成果です。この時期の夕方から夜にかけて、北米~中米~南米が入感し、
信号自体はそれほど強くなった印象はありませんが、弱い信号でも呼べばちゃんと
QSOできるようになりました。数日前の3.5MHzのOA4AI(ペルー)も、CQが見えた時点で
-24dbと弱かったのですが、呼んでみたら他のJA局より先にコールバックがありました。
7MHzも同様に、YV5JLO(ベネズエラ)の-21dbのCQに応答して数回で取ってもらえました。
以前に比べて、送受信のバランスが良くなったと感じています。

14/18MHz ・・・
これらのバンドも、G5RV-Halfの時に比べて、確実に飛びが良くなったと感じます。
3.5/7MHz同様に、DXの信号強度自体はさほど変化がないのですが、送受信のバランスが
良くなったことで、以前は”あともう一歩”でQSO出来なかった所とQSOできるように
なりました。
具体的に言うと、G5RV-HalfではUr-10db/My-20dbだったのが、ZS6BKWにしてからは
Ur-10db/My-15dbになり、送信レポートと受信レポートの差が少なくなったことで、
相手局に自分の信号が「見える」状態になったことが大きいと思います。
4L1MA(ジョージア)やEK1KE(アルメニア)は以前はどうしても拾ってもらえなかったの
ですが、このANTにしてようやくQSO出来ました。

24/28/50MHz ・・・
こららのバンドについては、”イマイチ”で、前回の記事状態から変わっていません。
設置環境が主な原因かと思いますが、今の所は、耳も飛びも悪い、という印象です。
かといって、まったく飛んでいないわけでもないのですが、とにかく送受信の
バランスが悪過ぎて、国内の-5dbくらいの信号の局を呼んでも無視されてしまう
有り様です。
本来、ZS6BKWの実力はこんなものではないと思うのですが、ANTの設置環境は
おいそれとは変更はできないので、季節が涼しくなったら改めて考えてみようと
思っています。

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第27話:ロングワイヤーからG5RV,そしてZS6BKWへ(その3)

ZS6BKW(Full-Size)編


ロングワイヤーからG5RV-Halfに取り替えて1ヶ月半、
1.8MHzや3.5MHzでの意外な収穫もあって、オールバンドでそれなりに楽しんで使って来ましたが、
ハイバンドは思ったような成果が得られずに、何とかならないものだろうかと思い始めていました。

実は、前回の記事では触れていなかったのですが、G5RV-Halfを設置する際にちょっとした失敗がありました。
それは、設置高さの不足です。
最初はトップを11m高、つまりATUとラダーラインの給電部を6m高にする予定だったのですが、
いざ上げてみたら、ATUのコントロールケーブルの長さが足りないことが分かり、
今更アンテナを上げる段階でコントロールケーブルを継ぎ足す工事をする気力もなく・・・
結局、トップは8m高、ATUとラダーラインの給電部は3m高という、何とも寸足らずな高さになってしまいました。

ですから、ハイバンドで飛びを期待するのはちょっと無理があったのかもしれません。
(それにしても、この低さで1.9MHzが予想外に使えたのは驚きです)

さて、こうして次のステップにグレードアップしたいと考えた上で、次の2つのプランが浮上しました。
1)このままサイズを2倍にして、G5RV-Fullとする
2)サイズを2倍にしてG5RV-Fullとしたものをベースに、改良型のZS6BKWとして再設計する

そして、色々検討した結果、ZS6BKWの製作にチャレンジすることにしました。
(製作に際しては、JA9BKJ OMのwebがとても参考になりました)



ここで”ZS6BKW”という聞きなれないネーミングが出てきましたが、これはG5RVアンテナを50Ω系の同軸ケーブルに直接給電できるように改良したもので、考案者のZS6BKWのコールサインがそのままアンテナの俗称として通用しています。(G5RVもコールサインそのものですが、こちらは同軸ケーブルの入手が困難だった約9070年前の発案です!)

では、ZS6BKWアンテナ(以下ZS6BKWと省略)について、webで得られた情報を簡単に説明しておきます。
結論が先になってしまいますが、私自身の製作検証もカッコ内に★印で付記しました。

基本はG5RV-FullSize
基本的なエレメントサイズやラダーラインの構造はG5RVのフルサイズとほぼ同じですが、
ZS6BKWではタテヨコのサイズ比を微妙に変更して、ラダーライン終端での50Ω直接給電を可能にしています。
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)

7/14/18/24/28/50MHzがアンテナチューナー無しで運用出来る!
元々G5RVが基本なので、7/14/28が乗るのは理解できるのですが、WARCバンドの18や24、更に50MHzも50Ωで給電可能との事。本当ならば凄い話!
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)
(★1.8MHzと3.5MHzは高SWRで、RIG内蔵チューナーで何とか運用できましたが、設置環境で変わると思います)

同軸ケーブルとのマッチング(平衡/不平衡)
同軸ケーブル側に1:1のソーターバランを入れて対応させる
(★私の場合はバランなしでやってみましたが、今のところノートラブルです)

10/21MHzはSWRが高いので無理
G5RVではこれらのバンドはチューナー併用で使えたのですが、ZS6BKWではSWRが無限大近くになってしまうためNGとの事。
(★実際に作ってみたところ、本当の話でした)

G5RVと同じ理屈で、HalfSizeにもDoubleSizeにも展開できる
G5RV同様、HalfSizeの場合は7MHz以上、DoubleSizeの場合は1.8MHz以上で実用になるそうです。
(私の場合はまだFullSizeだけの製作経験なので、真相は不明)

と、このように10/21MHzが使えないデメリットはあるものの、それ以外のバンドはチューナー無しで運用できるので、
大きな魅力があります。またG5RVで苦手だったWARCバンドの18と24が低SWRなのは嬉しい限りです。
私の場合、現在200W固定局の免許ですが、G5RV-Halfで耐電力100WのATUを用いている関係で、100W以上のパワーが入れられません。
しかし、このZS6BKWがうまくいけば、ATUが不要になるので200WにQROすることができます。この点でもFBです。

製作編


では早速、ZS6BKWの製作に取り掛かります。
現在のG5RV-Halfからの変更は、以下の通りです。
・水平エレメント:片側が14.25m、両方で28.5mになります。
・ラダーライン:長さが13.3mになります。2線の間隔は変更しません。
 (この長さは設計上なので、実際の設置環境で調整して最適長を求めます)
・ラダーラインの終端は、ATUではなく同軸ケーブルに直に接続します。

製作の要領は、前回のG5RV-Halfと同じです。ただ単に水平エレメントとラダーラインを、所定の長さになるように継ぎ足すだけです。

今回は、ラダーラインが長いため、トップは最初の計画通りに11m高になりました。
但し、11mの高さに対してラダーラインがそれ以上の長さなので、ラダーラインを斜めに引き下ろして、結局給電点は地上高1mという低さになってしまいました(笑)

調整編



このアンテナは、作って上げただけでは正常に動作しません。
50Ωの同軸ケーブルに直に給電できるよう、目的の周波数で低SWRを実現するために、
アンテナの長さ調整が必要です。

私の場合、長さ調整は、ラダーラインのみで行いました。水平エレメントでも調整可能なのかもしれませんが、
目的の周波数が単一ではないので、アンテナを上げた状態で幾つもの周波数をチェックしながら水平エレメントをカットするのは大変です。
その点、ラダーラインの終端であれば低い場所で椅子に座って調整作業が楽ですから、このやり方をお勧めします。

調整方法は、ラダーラインの先端を10mmほどビニール線を剥いて、ここにアンテナアナライザーを接続します。
実際には、アンテナアナライザーの同軸コネクタに、長さ1mの同軸ケーブル(ケーブル先端の芯線と被覆線にワニグチクリップを取り付けたもの)をつけ、ラダーラインの先端にワニグチクリップを挟んで各周波数でのSWRを測定します。
目的の周波数付近にSWRが最小になるポイントがありますので、この周波数が目的周波数より低い場合はビニール線をカットして、目的周波数より高い場合は逆にビニール線を継ぎ足す作業を繰り返し、全ての目的周波数でSWRが最小に追い込めたら終了です。
※オリジナルのラダーライン設計長は13.3mですが、これは裸銅線の場合ですから、今回のようなビニール被覆線では短縮率が作用して、全体的に低い周波数にシフトしています。ですので、基本的にはビニール線のカットのみで済むはずです。

但し、設置環境にもよると思いますが、実際には全ての目的周波数でSWRの底があるわけではありません。私の場合は次の図のようになりました。

7/14/18/24/28/50MHzは、事前の情報通り、バンド内で低SWRにすることができました。
(但し、14と24はバンド外にSWRの底があります。これをバンド内に調整することも可能ですが逆に28と50のSWRの底がどんどん高い周波数にシフトしてしまうため、このポイントで妥協しました)

3.5MHzは、低SWRにはなりませんでしたが、RIG内蔵のチューナーで何とか運用可能です。
1.8MHzは、最初は全くポイントが見つからなかったのですが、最終長で測ってみたらSWR=4になっていました。
7MHzは、広帯域です。7.0~7.2MHzがSWR1.5以内に収まっています。
28MHzはSWR最低点が上の方にあり、FT8の周波数では2.0とちょっと苦しい感じです。
50MHzは50.0~50.85の間がSWR1.5以内になりました。


 ↑調整時の風景。ラダーラインの先端に、ワニ口クリップで先端を加工した短い同軸ケーブルを
 接続します。

 ↑完成したZS6BKW。今度は11mの高さに設置することができました。

運用編

このアンテナを上げてからまだ日が浅いので、レポートできるほどのQSO数ではありませんが、感触として7/14/18MHzは、G5RV-Halfに比べて飛びが良くなったと感じています。このアンテナを上げてから、DXCC(mix)が5つ増えました。ちなみに、出力は100Wのままです。

24/28/50MHzは、G5RV-Halfとあまり変わりないような感じです。もう少し様子見が必要です。
ちなみに50MHzはこのアンテナで6m&Downコンテストにも出てみましたが、GWで他エリアの局も聞こえる局とはすべてQSOできました。

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プロフィール

HN:
hezhi
性別:
男性
自己紹介:
無線と自然と夜空の星をこよなく愛するアナログおやじです。
アマチュア無線は学生時代からやっていますが、最近ではUHFの
移動運用に加えてHFのDX(Digital Mode)の面白さにハマっています。

My HF DX status (2021-0101 to 2025-0918) (FT8)
WAC
  160m : remain SA, AF
  80m-10m : completed (Wkd)
WAZ (cfm/wkd)
  mixed : 39/40
  160m : 14/
  80m : 28/
  40m : 38/
  30m : 37/
  20m : 36/
  17m : 38/
  15m : 37/
  12m : 36/
  10m : 37/
WAS (cfm/wkd)
  mixed : 50/50
  160m : 7/
  80m : 30/
  40m : 47/48
  30m : 46/46
  20m : 50/50
  17m : 50/50
  15m : 50/50
  12m : 50/50
  10m : 50/50
DXCC (cfm/wkd)
  mixed : 209/235
  160m : 13/14
  80m : 85/96
  40m : 142/159
  30m : 134/156
  20m : 138/164
  17m : 138/159
  15m : 152/169
  12m : 124/147
  10m : 140/159

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